2010/02/18

おいしいコーヒー(9)、看板

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このところ、通常の撮影の仕事以外に、大学入試判定審査があり、大学近くのホテルに宿泊。入試審査はとても慎重に行われます。毎年のことですが、審査の日は大学の教授達と一緒に過ごす貴重な時間で、毎年楽しみにしているのです。それも先日終了して、また日常のペースが戻ってきました。

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撮影はあいかわらずの忙しさです。僕の年齢で、コマーシャルの仕事の依頼がくるというのは、本当にありがたいことです。しかし、いつの間にか、どの現場に行っても僕が最年長、ということが多いですね。ついこの間まで、僕が一番年下だったのに・・・。

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2010/02/04

おいしいコーヒー(8)、「CAFE bee」

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最近は焙煎のテスト期間も終わり、好みの味にするにはどのような焙煎をしたらよいかわかるようになりました。火加減,時間なども答えが見つかり、安定した焙煎を続けています。
コーヒーの旨さを感じる要素は、酸味、甘味、苦味、香り、適切な温度などですが、そのどれも欠けてはいけません。浅い焙煎では酸味を強く感じ、進むにしたがって苦味が増してきます。
豆の種類や環境によっても異なるので、一概にはいえませんが、コーヒーに感じる甘味というのが、人に寄って一番違うと思います。

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もしかしたら、コーヒーの甘味というのは、成分としては、まったく違う要素を甘く感じているのかもしれません。
これは僕の体験から得た感想なので、正しい答えではないかもしれませんが、甘味の位置というのは、酸味から苦味へ移る直前に存在するように思います。
しかも、どちらかというと、限りなく苦味に隣接しています。苦味にくっついていると言っていいかもしれません。僕の焙煎方法では、ほとんど、15秒間ぐらいの差です。僕が感じる適切焙煎時間から15秒長く焙煎しただけで、甘味が消えていきます。

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2010/02/02

水上勉さんと『蘭の舟』

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『蘭の舟』のための写真を撮り終わり、当時、光村印刷のプリンティングディレクターだった森谷忠義さんに、印刷方法の相談をしました。人物のポートレートは全てブローニーサイズのモノクロフィルムで撮りました。そのモノクロのトーンが重要だということになり、グレーと墨版以外に、もう1版、ニス版を重ねることになったのです。時間の堆積を感じさせる色や深みを感じるにはどうしたらいいか、テストを重ねた結果の答えでした。オフセットで刷ったカラーの風景分も含め、その校正刷りを持って、世田谷区成城にあった水上勉さんの家を訪ねたのです。1979年のことだったと思います。

アポイントは冬樹社の編集者だった荻原富雄さんが連絡してくれました。成城の駅へ着いてから、駅前の公衆電話を使って荻原さんが電話をかけていたのを覚えています。
僕は、当時、港区の日赤通りに住んでいましたから、日赤通り商店街にある花屋さんで、あらかじめ注文していた「水仙の花」を求め、腕いっぱい抱えていきました。水上さんといえば、越前の風土と切り離せないので、水仙の花が一番ふさわしいと思っていたのです。
先生にお目にかかったらどんなふうに話を切り出そうか想像して、少し緊張気味だったと思いますが、行く途中のことはまったく記憶にありません。ただ、電車に乗っている間、水仙の花芯から漂って来る甘い香りを覚えています。

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