2018/04/15

写真と珈琲のバラード(41)

BISHIN JUMONJI GALLERY
次回展示のお知らせ
タイトル:「修羅」失われた記憶
会期:2018/5/23(水)~6/25(月)

ご挨拶

今年に入ってから京都、佐賀、熊本、再び佐賀、福岡、兵庫、姫路、酒田、山形と移動して、さらに兵庫、京都、大阪、5月は北海道の羅臼へ行く予定です。具体的に何を撮る、という目的もなく、気が向いたらその場所へ行ってみる、そんな旅です。
気が向いたら、と書きましたが、何に対して気が向くのかと言いますと、なんでしょうか、自分でも何故その場所へ行きたくなるのかはっきりした理由はわかりません。何処へ行ったところで、明確な被写体が私を待っているわけではないのです。
昨年からなんとなく思うことがあり、その、なんとなくを確かめている気がします。

昨年の7月に旧友の藤崎を亡くしました。
お互い10代の頃に知り合い、しばらくの間は毎日、密に会っていました。私にとってどんな友人だったか、詳細は写真集『感性のバケモノになりたい』の「藤崎」に書いたので繰り返しませんが、彼を亡くしたことで、記憶について考える機会が多くなったのです。

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2017/12/07

写真と珈琲のバラード(40)

十文字美信「劇顔2017年」展十文字美信「劇顔2017年」展

DMが完成しました。
デザインは太田和彦さん。

これら12点の作品は、雑誌『シアターガイド』の「劇顔」2017年1月号~12月号のために撮影した写真を、十文字美信のオリジナルプリントで展示しました。全て開演直前、或いは閉幕直後の数分間で撮影したものです。
自らの肉体を使って、未知なる宇宙空間へ精神を解き放つ役者の顔に、表現のあらゆる可能性を見つけようと試みた作品です。
一点一点の写真に鑑賞者の想いを重ねることでそれぞれが完成する新しい試みのポートレートだと思います。


2017/12/02

写真と珈琲のバラード(39)

雑誌『シアターガイド』に毎月連載してる「劇顔」、2017年掲載の写真をギャラリーで展示する。

役者の顔を撮るっていうのは、初めて訪れた街で道に迷った時の感覚に似ていると思う。どの方向へ行ったらいいのか、途方にくれて立ち止まる。行き先を決めるためには、きっかけを掴む手がかりが欲しい。例えそれが根拠のない直感であったとしても。

この撮影に関して言えば、最初の手がかりは役者の素顔は見たくない、と思ったこと。そうかといって、演じてる顔をそのまま写真で撮ってもちっとも面白くない。
ならどうする?
演じてる顔と素に戻る顔の狭間はないのだろうか?
そう思いついて、劇の幕が上がる直前か、あるいは幕が降りた直後の瞬間を思いついた。もちろん舞台に対する直前直後の心のありようは役者によって違うだろうが、異なる在り方に、その都度私が反応出来ればなんとかなる。そう思って始めた撮影だった。

顔を撮るって、写真家にとって永遠の課題だね。なんといっても被写体が魅力的に見えなければ話にならない。撮る甲斐がないじゃないか。実物よりも魅力的じゃなければね。でも、その人の魅力って一口に言うけど、いったいどんな瞬間がその人の魅力なの?その人らしさが強調された瞬間?他人が思っているその人らしさなんて、大抵は本物じゃないよ。それに、被写体になる役者と私は撮影の現場で顔を合わすのが初めて、がほとんどの場合だよ。
相手は役者だから、自分はこの顔、この表情がカッコイイと思い込んでる人も中にはいる。自分がいいと思い込んでる表情ほどつまらないものはない。生気が消えてしまうからだよ。反応を期待してる表情が写った顔ほどつまらない写真はないよ。

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