2022/09/29

宿愚連若衆艶姿(ヤサグレテアデスガタ)/パルコ広告/1980年」

宿愚連若衆艶姿/パルコ広告/1980年

ギャラリー展示作品の内

「宿愚連若衆艶姿/パルコ広告/1980年」

アートディレクター石岡瑛子さんからパルコの広告撮影の仕事がきた。
石岡さんはこの時点ですでにアイデアがあり、ニューヨーク在住のあるアーティストが作る被り物を使って広告を作りたい、だった。

後日、私を含めたスタッフがニューヨークへ到着すると、先乗りしていた石岡さんから被り物のスケッチを見せられた。豚や犬などを擬人化した動物の頭の被り物で、私はそれを見て面白いCMが出来るだろうと想像した。

ところが撮影本番二日前に、突然石岡さんから呼び出され「アーティストからキャンセルされた、この仕事は成立しないかも」と伝えられた。
本人から送られてきた手紙を見ると、そこには日本の企業に打撃を与える趣旨の内容が書かれていた。
続いて「十文字ならどうする?」と言われ、ご自分はトイレに閉じこもってしまった。

時々トイレから出て、部屋の中を歩きまわりながら国際電話でクライアントに事情を説明されていた。
「どうする?」と問われた私は、ニューヨークへ来てからのことを思い返していた。

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2022/09/28

「林原/低カロリー甘味料広告/1985年」

林原/低カロリー甘味料広告/1985年

ギャラリー展示作品の内

「林原/低カロリー甘味料広告/1985年」

アートディレクター宮永磐夫さん、コピーライター中塚大輔さんから株式会社林原の新商品、低カロリー甘味料の広告撮影依頼があった。

当初は5年計画の広告展開だった。
その初年度は誰が見ても減量が必要だと思う肥満体の被写体をモデルとして、5タイプ広告展開することになった。
広告立ち上がりは、潜在的に持ってる肉体と性に関するコンプレックスをビジュアル化しようと考えたのだ。広告にはタブーとも言えるネガティブな視点からあえて出発した。

何につけても極端な世界を求めるならアメリカだろう。というわけでロサンジェルスへ行き、肥満体の若い女性をオーディションした。しかし、思ったほど集まらなかった。そこでサーカスに出演してる二人を口説いてもらった。

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2022/09/27

「ゆれる、まなざし/資生堂広告/1976年」

ゆれる、まなざし/資生堂広告/1976年

ギャラリー展示作品の内

「ゆれる、まなざし/資生堂広告/1976年」

資生堂秋のキャンペーンは、同社にとって最も重要な広告と言ってもいいだろう。化粧品各社とも秋のシーズンはメイキャップに力を注ぐからだ。

まず、その年のモデルを決めなければならない。

アートディレクターの鬼澤邦さん、コピーライターの小野田隆雄さんと一緒にモデルオーディションを行った結果、ある一人の女性に注目が集まった。真行寺君枝さんといい、当時まだ16歳だった。
オーディションの会場でも一人だけ縫いぐるみのリュックを背負い、物静かな雰囲気を纏っていた。彼女の視線は他の誰も持っていない強い魅力と深さがあった。
われわれグラフィックチームは真行寺君枝さんを推したが、資生堂宣伝部としての見解は、秋のキャンペーンモデルを彼女と決定するには若過ぎないか、だった。
今は幼さも感じる若さが目立っているが、撮影になれば年齢を超えた魅力を発する予感があった。

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