2009/08/27

サイン

八月二十六日の夕方、ギャラリーショウへ行った。

展覧会に出品する「FACES」の写真に、サインをしてきました。

作品はtype-Cプリントなので、使用する紙は普段使い慣れているコダックの「ENDURA」です。
紙自体にモノクロ印画紙のような強度がないため、写真を台紙に密着して展示することに決めました。
そのため、サインするのは台紙の裏になります。
フレームの裏の窓から僕のサインが確認できる構造になっています。

そうか、ということは、壁に展示された状態ではサインが見えないので、確認するためにはギャラリーの人にお願いするしかないのですね。
いや、なぜサインの話をしたかというと、以前、僕の写真を見たある方が「あなたのサインにとても興味があります」と言って、ジィーッと眺めていたのを思い出したのです。その方は写真よりもサインを眺めてる時間のほうが長いくらいでした。
当然、本人が書くわけですから、作品とサインにはなんらかの共通点があって当たり前です。
因果関係というのは大袈裟ですが、しかるべき人が見たら、両者の間に漂っているものから、ある方向性ぐらい読み取ってしまうかもしれません。

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2009/08/26

「風の盆」

昨日(二十四日)、一週間ぶりに富山県の八尾から戻りました。
このところ、八尾に滞在することが多くなっています。
理由は「おわら風の盆」を撮影するためです。

CANONのデジタル一眼レフカメラを使って作った動画作品の第一作目は「さくら」でしたが、その第二作目を「風の盆」に決めました。

以前から「風の盆」を撮ってみたいと考えていましたが、チャンスはなかなかありませんでした。
撮影する側から言いますと、これほどやっかいな被写体はありません。撮影するには当然撮影可能な明るさが必要です。「風の盆」は夜に行われるので、そのままでは絶対条件の光量が不足してしまいます。そのため、ライトを点灯したりストロボを発光させなければなりません。でも、想像してみてください。八尾の細い路地裏を、数人の地方連がひっそりと流して歩いている時に、無遠慮にもストロボが突然発光したら・・・。

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2009/08/19

「FACES」の写真、暗闇の中から浮かび上がる

八月十日、本来なら湘南の久留和海岸でCF撮影の予定が、降雨のため十二日に延期。
翌十一日は同じクライアントでスチールの撮影。
もう気心が知れてるスタッフなので、撮影は約九十分で終了。それでも僕にしては時間がかかったほうです。
デジタルカメラで撮影したので、その場ですぐにセレクトする。

十二日は夜間撮影だが、午前中に撮影現場に入る。
九日に、台風の影響で高波が押し寄せ、海岸の砂浜に作った坂道が決壊。そのために若干ロケセットの位置を変更せざるを得なくなり、夕方まではセットの中のさまざまな小物の位置修正。

七時に撮影開始。空の青味が残るバランスは時間にしてわずか十分。あとは、前後のカットのつながりを考えながらライティングで修正。すべての撮影が終了したのは夜の十時半頃でした。

十三日は前日撮影した作品のテレシネ。テレシネとは、フィルムで撮影した映像を電気信号に落とす作業。この時にカラリストと一緒にモニターを見ながら色味を作っていくのです。夜は十九日から始まる別のロケの打ち合わせ。

そんなわけで、十四日からやっと「FACES」展のプリント作業を始めることが出来たのです。

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