2010/02/02

水上勉さんと『蘭の舟』

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『蘭の舟』のための写真を撮り終わり、当時、光村印刷のプリンティングディレクターだった森谷忠義さんに、印刷方法の相談をしました。人物のポートレートは全てブローニーサイズのモノクロフィルムで撮りました。そのモノクロのトーンが重要だということになり、グレーと墨版以外に、もう1版、ニス版を重ねることになったのです。時間の堆積を感じさせる色や深みを感じるにはどうしたらいいか、テストを重ねた結果の答えでした。オフセットで刷ったカラーの風景分も含め、その校正刷りを持って、世田谷区成城にあった水上勉さんの家を訪ねたのです。1979年のことだったと思います。

アポイントは冬樹社の編集者だった荻原富雄さんが連絡してくれました。成城の駅へ着いてから、駅前の公衆電話を使って荻原さんが電話をかけていたのを覚えています。
僕は、当時、港区の日赤通りに住んでいましたから、日赤通り商店街にある花屋さんで、あらかじめ注文していた「水仙の花」を求め、腕いっぱい抱えていきました。水上さんといえば、越前の風土と切り離せないので、水仙の花が一番ふさわしいと思っていたのです。
先生にお目にかかったらどんなふうに話を切り出そうか想像して、少し緊張気味だったと思いますが、行く途中のことはまったく記憶にありません。ただ、電車に乗っている間、水仙の花芯から漂って来る甘い香りを覚えています。

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2010/01/31

ハワイと『蘭の舟』

昨日、海外ロケから帰国。出発は23日でしたから、滞在は6日間。
1年ぶりに訪れたハワイでした。
蘭の舟

ハワイは、僕の処女写真集『蘭の舟』の舞台でもありましたから、思い入れはひときわ強いものがあります。『蘭の舟』は、ハワイへ移民した日本人のポートレートと風景で構成した作品です。初版が3000部で現在は絶版ですから、数が少なくなっているのではないかと思います。それでも時々、古書店で見かけますし、ネットでも探せるので、まったく手に入らないわけではないですね。

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2010/01/18

おいしいコーヒーと「濃茶」

年が明けてからのスケジュールが忙しくて、なかなかブログが書けません。
何人かの方は楽しみにしてらっしゃるので、書き込むようにガンバリマス。

またまた焙煎の話ですが、浅い焙煎では酸味が強く感じることは以前にも書きました。その酸味をダブルローストすることで、なんとかならないかとテストを重ねていたのです。

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