2013/09/08

窓の外

窓の外

パリ北駅からユーロスターでロンドンへ行く。
この列車には、かねがね乗ってみたいと思っていたので、さまざまに興味深い。
パリ出国通関時に、滞在期間、渡英の目的などを事細かに訊かれる。

通関手続きが終わり、列車に乗り込んで右の車窓を見ると、金網越しに黒人の家族が集まっていた。駅のホームを挟んで見えた光景に不意を突かれた。被写体までの距離と白い金網が、僕と彼らを隔てている。なぜこの光景が気になったのかわからない。わかる以前にシャッターを切っている。

僕は写真を撮るたびに思うことがあります。モノを明確に見ることに、心が離れていくのがわかるのです。明確にすることは、はっきりさせることです。モノの行く末を限定すること、場合によっては変化を否定して、そのままジッとしていなさいということになりかねません。モノには、僕が介在する以前から変化の可能性を孕んでいます。

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2013/09/06

ウクライナ「Japan Mania」展

ZANKETSU rectoZANKETSU verso

9/11、ウクライナのキエフへ行く予定です。
当地で9/13から「Japan Mania」展が開催され、僕の作品が招待されることになりました。

ウクライナ日本文化センターが主催で、日本のさまざまな魅力をウクライナの人達にいっぺんに知ってもらおう、という興味深い企画です。僕がパリに来てからこの話がまとまったので、まことに急転直下、満足な準備期間もなく、手持ちの作品を展示するしかありません。

せっかくの機会です、最新作でまだ未発表の「残欠」という作品を持っていくことに決めました。

僕が参加するに当たっては、パリ在住の友人市田Kyoさん、Fumikoさんご夫妻、齋藤しおりさんの骨折りがあって実現することになりました。
僕にとっては晴天の霹靂のような唐突なお話でしたが、ウクライナという国に対する興味に強く惹かれてすぐに参加の決心をしました。

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2013/09/04

再びパリ


久しぶりにシェルシュ・ミディ通りのアパートに戻ってきました。
パリは相変わらず暑い。
部屋に入ってまずは掃除。
韓国製の掃除機でガーガー床をこする。

シンクを拭いて、着ていたシャツを洗濯機に放り込んで、一息ついたらじんわり汗が。
シャワーを浴びて、着替えるとさっぱりした。

アパートの部屋は5階です。しかもエレベーターなし。
前回出る時にこっそり隠しておいたものがある。
大したものじゃありません。トイレットペーパー、キッチンペーパー、シャンプー、食器洗いの洗剤です。
前回来た時に使い残ったので、捨てるのも勿体無いから全部一つのビニール袋に入れ、表にマジックで「大家私用」と書いた。部屋の棚の片隅に置いて退出したのです。どうせ戻ってくるのだから。
それから今までに4組ぐらいのゲストが入ったらしいが、皆さん行儀良くて、こうして再び僕の元に戻りました。

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