2015/02/23

多摩美術大学十文字美信・最終講義(8)「らしさ」について。

約、10ヶ月ぶりのブログ更新です。

昨年定年退職した多摩美術大学での講義を、忘れないうちに書き留めようと始めた話も昨年の4月を最後に中途で止めていました。ひとまず講義を続けます。

第3期は、「らしさ」についての授業です。

日常的によくこんな会話を耳にします。

「ねえ、あれっていかにも・・・さんらしいよね」

この時の「らしい」とは、何を指してそう思ったのでしょうか。
その人らしい個性や特徴を自分なりに掴んで、その特徴を共有出来たら、と思ったのでしょうか。
もし、その人の個性や特徴が本当に掴めたとしたら、人物写真を撮る時に手掛かりとしてこれほど心強いことはありません。
「その人らしい写真」が、人物撮影の基本ですから。
ところがです。「その人らしい」と思っていることが、実は案外頼りなくて曖昧なことが多いのです。

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2014/04/10

多摩美術大学十文字美信・最終講義(7)

しばらく時間とれなくて、ブログに書き込めなかった。
多摩美術大学教授の職も、先月3/31日をもって定年退職しました。
理想的とは言えないまでも、優秀な学生にも出会え、充足した10年間の教授生活だったと思う。

実際にどのような授業をしていたかを書き留めておかないと忘却してしまうので、ブログ上で思い出してみたい。
今回で第7回目の講義になります。

「顔」については話したいことが山積しています。
人の「顔」認識の不思議さについて、学生にも実際に体験してもらいます。

「顔」として描いたり作ったりしたものでないにも関わらず、「顔」に見えた経験は誰にでもあると思います。
壁に画鋲が3個刺さっているだけで、配置によっては顔に見えることがあります。
自動車のラジエターグリルが「顔」に見える。

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2014/02/23

「ありがとうの会」

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今年の3月末日で多摩美術大学教授の職を定年退職するのですが、この機会に教え子たちが集まって「ありがとうの会」をしてくれました。
2/15日のことでした。
会場は代官山にあるイタリアンレストランです。
楽しみにしていたのですが、なんと、前日は数十年ぶりという大雪。その影響で東横線が不通でした。会場まで来るには、渋谷か恵比寿から歩かねばならず、難儀なことで、皆集まれるか心配でした。

幹事が最もやきもきしたでしょう。
それが、100人を超える出席者で、感激しました。北海道から二日がかりで駆けつけてくれた人、雪に閉じ込められてどうしても来ることができない人から何通ものメールや電報をいただきました。なんとか間に合ったけれどすぐに戻らなければならない、一目顔を見たかった、と言ってUターンで戻った人もいました。
僕は恵比寿から歩きました。
開会を2時間遅らせて15:00からにしました。

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