多摩美術大学十文字美信・最終講義(8)「らしさ」について。
約、10ヶ月ぶりのブログ更新です。
昨年定年退職した多摩美術大学での講義を、忘れないうちに書き留めようと始めた話も昨年の4月を最後に中途で止めていました。ひとまず講義を続けます。
第3期は、「らしさ」についての授業です。
日常的によくこんな会話を耳にします。
「ねえ、あれっていかにも・・・さんらしいよね」
この時の「らしい」とは、何を指してそう思ったのでしょうか。
その人らしい個性や特徴を自分なりに掴んで、その特徴を共有出来たら、と思ったのでしょうか。
もし、その人の個性や特徴が本当に掴めたとしたら、人物写真を撮る時に手掛かりとしてこれほど心強いことはありません。
「その人らしい写真」が、人物撮影の基本ですから。
ところがです。「その人らしい」と思っていることが、実は案外頼りなくて曖昧なことが多いのです。
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