2024/05/27

『大乗寺十三室 十文字美信』

『大乗寺十三室 十文字美信』

『大乗寺十三室 十文字美信』が小学館より発売されました。

18世紀半ばに活躍した絵師円山応挙とその一門13人が、兵庫県香住にある亀居山大乗寺客殿13室全ての障壁画を描いた。この本はその空間に魅せられた十文字が、4年間にわたり13室全てを撮影した写真集です。
円山応挙が一門の弟子(長沢蘆雪、源琦、呉春などの実力者)に命じて、新たな構想の元に作り上げた絵画空間の神秘に迫りました。描いた絵師の息遣いに迫ろうと考え、通常の美術品撮影とは異なり、自然光を主光源として撮影した。
解説を府中市美術館の金子信久先生にお願いした。

ブックデザイン、レイアウトは戸田宏一郎さん、田代祐美子さん。印刷は岡村印刷工業さん、編集担当者は清水芳郎さんです。
大型本ですが、ぜひ手に取ってご覧にいただきたいと思います。


2024/05/06

映像『TORIKAI』

2020年の九州豪雨で球磨川が氾濫し、熊本県人吉市が壊滅的な打撃を被ったのはまだ記憶に新しい。
鳥飼酒造の蒸留所がある草津川(そうずがわ)も押し流された巨大な石によって流れが変形し、場所によっては流木で堰き止められ、激流で両岸が破壊され、文字通り見るも無惨な状態に変わってしまった。

先日久しぶりに鳥飼和信社長にお会いして、草津川の現状を見た。復興に着手して少しずつ成果が上がってきたようだ。
源流を整備して清流を取り戻す難工事を再びやり直す決意を淡々と語っていた。
私財を投じて二度も自然に向き合うのは何故ですか?の問いには「やはり日本の自然が好きなんよね」と軽く笑って答えていた。
話を聞きながら2014年に撮影した当時の草津川の清流を思い出していた。

映像をYouTubeにアップしたのでご覧ください。

日本の川はいいなあと思う。


2024/05/03

東光山英勝寺

 

自宅から徒歩5分ほどのところに東光山英勝寺がある。創建は寛永13年(1636)とあるので、それほど古い寺ではない。
この地は元々源頼朝の父義朝の屋敷が建っていたが鎌倉幕府崩壊の後は上杉氏の家臣太田道灌が居を構えた。しかし、道灌が暗殺された後は家が没落し、再建されたのは江戸時代になってからだという。
太田氏の血筋である「お八」が徳川家康の夫人になり、それからは家康が合戦に連戦連勝したことから「お勝」の名を賜った、と寺からいただいたしおりに記されている。
家康が逝去した後「お勝の方」は出家し、名を「英勝院」と改め還暦を機に寺を開いたのだ。

尼僧の寺ということもあり、私は今まで訪れたことがなかった。
たまたま通りかかったら総門が開いていたのだ。
犬槇の古木の根方にテントを張り、机を置いて臨時の入り口を設けていた。

鎌倉の風情が好きだ。
奈良や京都とも違う、スケールが小さいせいか自然との距離が近い。

数人のアマチュアカメラマンが白い藤の花にレンズを向けていた。


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