2010/07/12

今の僕の頭の中

ここ数日前から、私的な時間に埋没しています。
次回の十文字美信写真展に向かって、頭が動き出しました。
やっと、という感じです。
毎日、毎日やらなければならないことが多いので、なかなか作品世界に没頭できませんでした。
展覧会スケジュールを考えると、もう、ぎりぎりのギリギリです。

作品展の開催場所は、多摩センター駅前にある「多摩美術大学美術館」です。
先日、下見に行ったのですが、館内の展示スペースが広いので、あれだけの空間を、ゆるむことなく保たせるのは、なかなか大変なことです。
「十文字美信全作品展」ということなら内容も点数も問題ありませんが、それには準備期間が足りません。
さあ、どうしようか?と思っているところに、大学の方からのお話で、「劇顔」を中心に構成したらどうか、という話が来ました。
「劇顔」という作品は、役者の「顔」を主題にした写真です。

1998年12月に、雑誌『シアターガイド』の伊藤芳樹さん、アートディレクターの太田和彦さんから「役者の顔を撮りませんか?」と声をかけていただいたのが、作品「劇顔」の始まりです。
もう12年が過ぎようとしています。連載は現在も続いています。
最近の撮影は、池袋にある「東京芸術劇場」で、野田秀樹さんを撮影してきました。7/8日です。

「劇顔」は、すでに143名の方を撮影しているので、美術館の広い壁面であろうと、量的には問題ありません。
ただ、展示効果を考えると、ある程度の作品の大きさが必要ですから、今までに撮影したすべての写真を展示するわけにはいきません。それで、写真を選ぶ作業をしなければならないのですが、これが結構シンドイのです。
どの写真も、それぞれ思いが籠められていて、愛着あるからです。

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2010/07/01

川嵜徹写真展始まる

いよいよ明日から「GALLERY B」で新しい作品展が始まります。

川嵜徹写真展「繁雄/先生/家族」です。

川嵜君は今年の3月に多摩美術大学のグラフィックデザイン学科を卒業した若者です。
大学では僕の写真の授業を受けました。

川嵜君が3年生の時に初めて彼の作品を見ました。僕が出した課題を撮ったものです。
写真の基礎がしっかり身に付いていたので、以前から写真の経験があるのかと思ったら、大学に入って写真に興味を持ったとのことでした。

最近はデジタルカメラが発達して、簡単にいうと、カメラが写真を撮ってしまうので、技術的な要素はないがしろにされがちですが、川嵜君は、写真的な世界の特徴は階調にあると考えて、トーンというのを大変重要視しています。
自分の色、自分のトーンをかたくなに再現するために、出来得る限り、フィルムで撮影し暗室でプリントします。
初めて川嵜君の写真を見た時も、その暗室作業の緻密さに驚きました。1〜2年の経験でここまでやれるのか、と感心したのです。

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2010/06/26

97歳になった母がついに体調を崩して、救急車で運ばれました。
うつむいた途端に意識を失ったらしい。
ちょうど、事務所近くの店でスタッフと夕食を摂っている時に連絡があり、来る時が来た、と覚悟を決めました。
何しろ、年齢が年齢なので、頭の片隅にはいつもこのことがありました。

娘にも病院へ行くよう準備をしなさい、と家内に電話をさせ、食事を途中でやめて、タクシーを呼び、すぐに病院へ向かいました。

向かっている最中に頭の中をよぎるのは、不吉なことばかりで、あげくには、葬式のことまで考えていました。普段から、なんとなく思っているからでしょう。
家内とはあまり言葉も交わさず、タクシーの窓から見える高速道路の夜の景色を見ていました。
すると、姉から電話があり、母の意識が戻って、今は母が居住している「ヴィラ」へ向かっているからそちらへ廻ってください、との話でした。
事情がよく飲み込めないまま、とにかく言われたように急遽、母が住んでいる場所へ向かいました。

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