2012/10/06

二人展の作品(2)

今回の作品展に出品する「神殿」は、枯れかけている花を撮ったものです。

盛りを過ぎた花は、環境に合わせて徐々に姿を変えていきます。鮮やかだった色彩は少しずつ退色して、終いには冷え枯れた色だけになり、さらに時間が経つと落ちてしまいます。花によっては退色せずに、いつまでも鮮やかな色彩を保ち続けているものもありますが、それも若々しい盛りの色とは違います。退色していく過程のどの段階も美しいと思います。過程の一つ一つに色名前をつけたくなります。紫色の花も、時間の経過によって紫色が微妙に変わっていくその過程が美しい。
昔は自然の素材で衣服を染色したわけですから、退色していくことが当たり前で、退色したそれぞれの色を合わせて楽しんだのが十二単の始まりなのではないでしょうか。
いつまでも色が変わらない、なんていうのは、それこそ「野暮」なのでは、と思ってしまいます。

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2012/10/01

二人展の作品

10/17日から、木彫家瀧本光國さんとの二人展が始まります。
takimoto+jumonji

僕が今回の展示に出品する作品は、現在撮り続けている「FACES」と「神殿」の最新作です。
「FACES」は石仏のお顔を撮ったもので、「神殿」は枯れかけた花を撮っています。

写真で何を撮っているかを正確に言葉で説明するのはむづかしいです。

写真は、目の前に存在してるものを写すことで成り立っています。そこにあるものを撮る、ことが写真の出発です。ところが、「そこにあるものを撮る」と言っても案外簡単なようで結構複雑な要素を孕んでいます。
端的に言ってしまうと、「目で見た光景と変わらない、もしくは肉眼で見た方が印象に残る」では、写真に撮る甲斐がないです。

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2012/09/18

パリ展オープニング


9/14日、パリの美術館「ELEPHANT PANAME」で展覧会が始まりました。そのオープニングパーティーの様子がメールで送られてきたので写真をアップします。

前回にも書きましたが、僕はこの美術館に一度も行ったことがないので感想を書けないのですが、というより、新しい美術館ですから、今回が初のお目見えです。オープニングに行かれた方の話では、とにかく素晴らしい美術館のようです。建物はナポレオン三世の時代に、ロシア大使館だったと言う人もいます。写真を見る限りですが、時代や時間を感じる美しい空間です。

こんな空間に作品を展示できるのは、作家冥利につきる思いですね。

パーティーは大盛況だったようで、出席者は600人以上だったそうです。
僕も時間が取れれば駆けつけたのですが、撮影の仕事が入っていたので無理でした。
せめて送られてきた写真を見ながら様子を想像するだけです。

作品の展示に関しては、「ギャラリーT,A,F」オーナー飯塚ヒデミさんにお願いしました。

作品は銀塩プリントで、サイズは大全紙。この作品は21点の写真で完結するように考えたのですが、展示スペースの都合もあるでしょうから、1点ずつでも作品として完成するように考えてプリントしました。
僕に与えられたスペースは、横幅5Mの壁面です。横一列に並べて観賞する写真なので、計8点の写真が並べられました。8点のセレクトはヒデミさんにお任せしました。
送られてきたスナップ写真を見ると、作品の雰囲気をとてもよく表現された展示になっています。

当日の会場風景を撮られたのは、飯塚ヒデミさん、市田享馴さん、関口和正さんです。

 

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