二人展の作品(2)
今回の作品展に出品する「神殿」は、枯れかけている花を撮ったものです。
盛りを過ぎた花は、環境に合わせて徐々に姿を変えていきます。鮮やかだった色彩は少しずつ退色して、終いには冷え枯れた色だけになり、さらに時間が経つと落ちてしまいます。花によっては退色せずに、いつまでも鮮やかな色彩を保ち続けているものもありますが、それも若々しい盛りの色とは違います。退色していく過程のどの段階も美しいと思います。過程の一つ一つに色名前をつけたくなります。紫色の花も、時間の経過によって紫色が微妙に変わっていくその過程が美しい。
昔は自然の素材で衣服を染色したわけですから、退色していくことが当たり前で、退色したそれぞれの色を合わせて楽しんだのが十二単の始まりなのではないでしょうか。
いつまでも色が変わらない、なんていうのは、それこそ「野暮」なのでは、と思ってしまいます。
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