涙よ、止まれよ。
午後12:40分、告別式場を出発。
僕は喪主なので、霊柩車の助手席に座った。
膝の上に母の位牌を乗せている。
車の後部スペースには、たった今お別れした母が横たわっている。
久保山火葬場まで約30分弱と聞いている。
霊柩車の運転手は静かに車を走らせる。
不思議だなあと思う。
この数日間、母の臨終から葬儀まで、あまりにあわただしかったせいか、それほどの哀しさも感じられなかった。
ところが、車が信号待ちしている間、気がつくと、涙があふれている。
それも、とめどなく流れ出てくる。
幼かった頃に暮らした母とのさまざまな情景を思い出したからではない。
記憶をたどっていたわけではないのに、しらずしらず、静かに涙があふれでてくる。
7月12日、午前10時50分、母は息をひきとった。
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