2013/05/11

若杉聖子作陶展「朧朧」始まる。

A5/15日~5/27日まで。火曜日休み。

若杉聖子さんの作品を初めて直接拝見したのは、写真家の渞忠之さんが持参された花器でした。
昨年の10月でしたから最近のことです。
その後、若杉さんが目白のギャラリーで展示発表した時も、見に行きました。
小さな空間に、清楚な純白の花が開いたような静かな展示でした。
器を手にとってみると、白磁の表面に砂を使って擦ったような柔らかな手触りがしました。

釉薬の光沢は一切なく、素焼きの石膏像に近い優しい感触です。
見つめているうちに、清楚なだけでなく、どこからともなくざわざわした胸騒ぎのような感覚が湧き起ってきました。
その感触はむしろ、磁器や陶器よりも生温かい、女の人肌に近い感覚です。
そう感じると、それまで清楚に感じられた作品がむしろ生々しく、妖艶でセクシーにも見えてきました。

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2013/04/27

沖 潤子作品展「刺青」始まる。

A

4/24(水)から5/6(月)まで/火曜日休み。

GALLERY Bが企画した展覧会については、僕がDM用の写真を撮らせていただくことにしています。今までには、升たかさんの陶器、瀧本さんの木彫を撮影してDMを作ってきました。今回の沖さんの刺繍作品も、撮影するのが楽しみでした。

僕は不覚にも、沖潤子さんの仕事、作品を、最近まで知りませんでした。
昨年のある時期に、ほとんど同時に(まったく同じ日に)写真家の渞忠之さんと陶芸家の升たかさんから、「凄い作品を作る人がいますよ」と教えられました。
それが聞いてみたら、鎌倉在住で、我が家からもそれほど離れていない距離にお住まいでした。
早速連絡をとって、作品を見せていただきました。

古い布地に、一針一針、丁寧に針を刺しているうちに自然にこれが現れました、というような作品です。
沖さんの作品を言葉で表現するのは難しい。
近寄って見つめると、とても繊細でありながら、全体は自由な精神で作られているようです。
針目を見つめていると、沖さんが辿った道程を僕も同じように歩いているような気持ちになってきます。かつて抱いていた想いの中にいつの間にか浸っているような、そして知らぬ間に、これから実行しようとしてる決心が胸の中に湧き起こってくるようです。

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2013/03/31

性空上人の頭部

写真

2005年12月、縁あって、姫路にある書写山圓教寺に行きました。
同寺を創建した性空しょうくう上人の木像が発見され、撮影させていただくことになったのです。

性空上人は延喜10年(910年)京都に生まれ、寛弘4年(1007年)播磨国弥勒寺(現在書写山圓教寺)で亡くなりました。
元山大師良源に師事し、日向国霧島山や筑前国脊振山で修行した後、書写山に入り、感ずるところがあって桜の生木に如意輪観音を彫ったと伝えられています。

生前から数々の霊験があり、39歳の時、法華経を暗誦していると突如として乙若二人の童子が出現したという。これら童子は不動毘沙門天の化身で、性空上人入寂まで上人の側で従ったといわれています。花山法皇、恵心僧都源信えしんそうずげんしん慶滋保胤よししげやすたねなどといった歴史上に名を残した人達の参詣を受けました。しかし後年、権勢や栄達を誇った人たちとの交わりを避け、書写山奥の草庵に隠棲しました。一条天皇の中宮、彰子が和泉式部をともなって訪れた時も会わなかったと伝えられています。
後年、かの有名な一遍上人が圓教寺を訪れ、桜の樹に彫った六臂如意輪観音像を拝観したとも聞いています。

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