2016/12/20

写真と珈琲のバラード(12)

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連日、暗室に籠ってプリントをしています。
次回刊行予定の写真集『常ならむ』に掲載する作品に取り組み、先月、6章で構成する作品の内の1章「残闕」(ざんけつ)のカラープリントが終わりました。写真家といっても、デジタルしか経験ない人は、フィルムで撮影して紙焼きをする、なんて知識だけでそのうちに「やったことない」人も出てくるのだろうね。

以前は(私が写真をやり始めた4~50年前ですが)、温度管理など環境の整備や現像の手順が複雑だったので、自分でカラープリントをする、という発想は持てませんでしたが、今は混合された現像液も手に入るようになり、その気にさえなればカラープリントが自分の暗室で出来るのです。

暗室作業は撮影と等しいくらい、あるいは場合によっては暗室作業の方がさらに神経を使います。基本的には露光時間と焼き付ける光の強さの相関関係で画像を決定していきますが、モノクロプリントとカラープリントの大きな違いの一つは、カラーの場合は全暗で作業を行わなければならないことです。モノクロなら赤色のセーフティーランプを点けることが出来ますが、カラーの場合は真っ暗で全ての作業をしなければなりません。手探りで行うわけです。

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2016/12/08

写真と珈琲のバラード(11)

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珈琲豆は産地と種類によって個性が違います。一粒の大きさもまちまちですし、形や厚みも異なります。美味しい珈琲を飲むためには、何と言っても焙煎が大事だ、と述べましたが、抽出次第だと思ってる人も多いようです。抽出ももちろん影響ありますが、注意することは、
1)熱湯で抽出しない。
2)湯をいっぺんに注ぎ過ぎない。
適切な焙煎をされていれば、このふたつを守るだけで充分美味しい珈琲になります。

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2016/11/29

写真と珈琲のバラード(10)

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昨日、11/28日で「十文字美信写真展 刻々」が終了しました。来廊いただいた皆様に心から御礼申し上げます。

今回展示した写真は、球磨川の支流草津川(そうづがわ)の水面を撮影したのですが、私にはとても興味深い作品になりました。作品から何を観ていただきたいのかというと、すべての作品には何らかの生き物が写っていて、その生き物がとても可愛らしいのです。ただの水の「ゆらぎ」を写しただけですから、画面には生き物が写っているわけではありません。正確には「生き物に見える」、です。

あくまでも透き通った清流は、両岸の地形や水底の形、水中にある岩や石の影響でさまざまに流れが変化します。注意して見ると、視界に入る狭い範囲でも複雑な流れを見つけることが出来ます。角度や速度の違う「ゆらぎ」がなるべく複雑に集まる場所を探して、太陽の直射光が当たる時間を選び撮影したのが冒頭にアップした写真です。

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