写真と珈琲のバラード(13)
連日、暗室に籠って次回刊行予定の写真集『常ならむ』に掲載する作品を焼いていますが、今朝は、ちょっと気分転換のために珈琲について書いてみます。
写真も面白いですが、珈琲の焙煎もなかなか面白い。何が面白いのかというと、不確定要素があまりに多く、毎回発見があり、小さな驚きの連続です。大きな驚きはたまに体験するので充分ですが、連日のように小さな興奮を味わうことが出来るのは幸せだと思います。何しろ手元に来た生豆がどのような環境を経験して来たのか、そのロットによって違うのですから、厳密に言うと基準がありません。条件の違う素材に立ち向かって、それぞれを一定のレベルに持って行くには、自分なりに工夫した約束事が必要です。
珈琲の焙煎は生豆を焼くことですが、この焼き方によって、香り、口当たり、味、喉越し、ヌケ、残り香などの要素は全く異なってきます。一つ一つの要素に自分の理想を決め、そのために何をどうすれば良いかを実践努力するわけです。写真もそうですが、何事も自分なりの発見が大事です。
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