Fox Talbot Museum (2)

Lacock Abbey 1

フランスの北にあるカレーという街から車ごと列車に乗り込み、海底トンネルを突っ走ること約30分、あっという間にフォークストーンへ到着。
文字通りあっという間にイギリスです。
フランスに比べると植物の葉の色が全体に濃く感じる。
高速道路M20号線をひたすら西へ西へと走り、ロンドンの南を素通りしてこの日はスウィンドンで宿泊。
目的地のラコックまで残り車で40分。

Lacock Abbey 2

僕は同乗してるだけだから楽なものですが、運転してるKyoさんはさぞかし大変だと思う。経験者なら誰でもそうだと思うが、初めて走る道は結構なプレッシャーがかかります。ましてフランスからイギリスになると右側通行から突然左側通行に変わる。
ややこしいのはロータリーの回り方だ。道が幾つも分かれていて、どの道を選択するのか、標識を読みながら瞬時に決めなければならない。もしも僕がレンタカーを借りて走ったとしたら、とても予定どうりには到着しない。


翌日、朝食をホテルで済ませ、出発。
この日は快晴。光がキラキラとまぶしい。
ラコックには40分で到着。
村の駐車場に車を停めて早速タルボットミュージアムへ行く。
開館まで15分間あると聞いて、村を歩かずにいられない。
ここへ来たら誰でも興奮するだろう。
建物は全て中世の趣をそのまま残してる。
映画「ハリーポッター」の舞台になったと聞いてるが、こんな村が存在してるなんて、イギリスの映画人は幸運だね。
ただ、一つだけ残念なのは、自動車がズラリと道に駐車してある。せっかくだから規制したらいいのに。

写真家がここへ来たら壁を見つめたままジッと動かなくなってしまうだろう。
どの家の壁も実に美しい。時間と自然が作り出した風合いは、とても人為的な造作では及ばない。
何処を見ても何を見ても侘びた風情だ。
それに、植物の鑑賞の仕方がいい。なるべく自然にそこに在るように育ててる。自然の変化をとても大事にしてるのだ。
僕は以前「わび」という作品集を上梓したが、「わび」の視点でイギリスを舞台に、もう一度撮り直してもいいと思った。


タルボット館ではカメラオブスキュラや写真創世紀に使用したカメラ、レンズが展示してあり、タルボットがラコックの風景や人々を撮影した「The Pencil of Nature」(自然の鉛筆)の解説、コピー写真が展示してある。
2階では「Black and Grey」と題した展覧会を開催してた。
5人の写真家がモノクロームの自作写真を、ゼラチンシルバープリントで焼いてる。
モノクロの写真はいいね!
実に美しい。
中でもDeborah Parkinの写真は良かった。
女の子ばかりを撮ってるにも関わらず、静謐なモノクローム画面からは死の匂いすら感じられた。

ミュージアムの裏手には、「Lacock Abbey」いう16世紀に建てられた石造りの館があり、ここがまさに「ハリーポッター」です。説明書には「feel so at home that you will never want to leave」とあったが、まさに看板に偽りなし、でした。
村内にもホテルやB&Bがあったので、次回は村に泊まりたいね。
 

 

 

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