2017/02/13

写真と珈琲のバラード(18)

次回刊行の写真集『常ならむ』に没頭しています。暗室でプリント作業の時間以外に、まえがき、作品個々の主題について、あとがき、などの文章、英文タイトル、表紙デザイン、編集構成、等を考慮実行してるうちに1日の時間がすっ飛んでいきます。主題に基づいた写真以外に、未発表スナップ写真を加えたくて、そのセレクト作業も時間かかっています。

以前にも書きましたが、暗室作業するための現像液の単薬、印画紙も年々手に入り難くなってる。それ以前に、そもそも写真を撮る環境が難しくなっています。どの地方へ行こうが、その土地の特色は失われ、どこもかしこも画一的な風景ばかり。人々は写真に対して警戒心も強くなり、容易なことでは入り込めない。盗撮したりする連中が後を絶たないから仕方ないことかもしれないけど、写真家にとっては受難の時代になったね。

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2017/01/29

写真と珈琲のバラード(17)

冬の日本海。フェリーの窓から海に視線を送る。この風景も一瞬の後には消えてしまう。不確かなことばかりの現代に、確実なのは、私が見ている全てのものは消滅していくということ。写真だけが、消えていくものを捉える資格を有してる。何という奇跡。写真はものの意味ではなく表面と関係を結ぶことが出来るから。


2017/01/15

写真と珈琲のバラード(16)

年が明けて、北陸を中心に大寒波襲来との予報を聞き、佐渡へ向かいました。次回刊行の写真集『常ならむ』に、スナップを入れたいのです。

昨年暮れは青森、秋田を主とした東北の地を歩きました。私の記憶の中の何か、がムズムズと動きます。記憶というのは厄介なもので、覚えているさまざまなことが、事実かどうか不確かになってきてる。心の中で何度も反復しているうちに、いつの間にか、こうありたいと願うような方向に傾いている。記憶の中に現れる世界が茫漠として、今にも消えてしまう気がします。かつて出会い目にした事柄を今のうちに記録しておきたいのです。記録したいのは、事実そのものではなく、記憶の中の事柄から、出会ったその時に生じた「心もよう」を写真にしておきたいのです。「心もよう」なんて写真に写るの?と思われるかもしれませんが、写真を撮り始めてから今までずっと試みてきました。決定的な凄い出来事ではなく、普段目にしてる日常的な何でもない風景や人、そこらへんに見える暮らしの断片を丹念に見ることで生じた想い、を写真に撮ってみたいのです。

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