2016/11/29

写真と珈琲のバラード(10)

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昨日、11/28日で「十文字美信写真展 刻々」が終了しました。来廊いただいた皆様に心から御礼申し上げます。

今回展示した写真は、球磨川の支流草津川(そうづがわ)の水面を撮影したのですが、私にはとても興味深い作品になりました。作品から何を観ていただきたいのかというと、すべての作品には何らかの生き物が写っていて、その生き物がとても可愛らしいのです。ただの水の「ゆらぎ」を写しただけですから、画面には生き物が写っているわけではありません。正確には「生き物に見える」、です。

あくまでも透き通った清流は、両岸の地形や水底の形、水中にある岩や石の影響でさまざまに流れが変化します。注意して見ると、視界に入る狭い範囲でも複雑な流れを見つけることが出来ます。角度や速度の違う「ゆらぎ」がなるべく複雑に集まる場所を探して、太陽の直射光が当たる時間を選び撮影したのが冒頭にアップした写真です。

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2016/11/28

写真と珈琲のバラード(9)

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今日は珈琲について書いてみます。

私が珈琲の焙煎を始めたきっかけは以前にも書きました。元々はあまり珈琲が好きではなかったのです。それで焙煎に取り組む前に、何故珈琲が好きではないのか?どちらかというと嫌いだったので、何故嫌いなのか、その原因、理由を考えてみたのです。

まず、何よりも嫌なのは、どぎつい口当たりです。日本茶や紅茶と比べても、珈琲が口に入って来た時の繊細さの欠けた不躾さはなんとも性に合わない。それに喉を通過した後に残る酸味の含まれた苦味が、いつまでも消えないことでした。それまでの珈琲体験が良くなかったのかと思い、実際に焙煎に取りかかる前に、名店珈琲を探訪することにしたわけです。

結果、私の目指す珈琲のコンセプトと特徴を設定することが重要だと思いました。私にとって、好きな珈琲、理想の珈琲とはどんな珈琲なのか?と考え出したのです。

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2016/11/17

写真と珈琲のバラード(8)

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先日撮影した房総半島での「道」で、写真集『常ならむ』掲載のための撮影行は終了。予定より3ヶ月ほど遅れたが、昨日から写真のセレクトを始めました。

以前にも書きましたが、『常ならむ』は6章で構成するつもりです。掲載作品中、最も新しいのは「道」です。これは記憶の底に降りて行き、茫漠として焦点が合わない風景にピントを合わせる試みです。過去を思い出そうと時間軸に沿って記憶を遡っても、いつの間にか思い出の闇の中に消えてしまいます。私の場合は、切れ切れ、断片的にですが、幾つか鮮明な映像が残っています。その残った映像を手掛かりに私の「道」を探します。

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