2025/07/27

白仏

白仏

路傍の白い石仏を撮り始めて10年以上になる。

伊勢神宮の宇治橋を撮影した途次、朝熊岳の金剛證寺奥之院にお詣りしたところ、横に石仏群があり、内の1体にとても心惹かれた。
大切に守られた地蔵たちから少し離れた場所だ。

時間と雨風、あるいは微生物などによるのだろうか、目鼻は摩耗して、それによりザラっとしたただの丸い石塊が黙ってそこにいらっしゃる。
仏師が心を込めて彫ったであろうお顔は、時間と環境にふさわしい形になり変わって、そのまま同じ場所に座っておられる。

陽光が落ちて、白いお顔がより一層白く輝いていた。

白仏に出会うと私はいつも「視線が合った」と思ってしまう。
 


2025/07/20

虫に刺された。

虫に刺された

昨日、那智撮影から戻る。

作品として手応えはあったのだが、撮影中にズボンの上から左脚を黒色の蜂のような虫に刺された。
だんだん腫れてきて、水膨れがあらわれたので、仕方なく皮膚科へ行ってみようかと。

彼らのテリトリーに入るのだから、お互い必死だね。
 


2025/07/19

見えないものへの接近

距離が遠くなると見えない。
過ぎ去った過去は見えない。
当然ながらこれから訪れる未来は見えない。
物体が移動するにあたって一定の速度以上になると見えない。
遮蔽物の背後は見えない。
極小、極大なものは見えない。
音がするだけでは見えない。
闇は見えない。

これら見えないものへの接近が私の写真撮影の動機と言える。
 


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