2016/11/28

写真と珈琲のバラード(9)

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今日は珈琲について書いてみます。

私が珈琲の焙煎を始めたきっかけは以前にも書きました。元々はあまり珈琲が好きではなかったのです。それで焙煎に取り組む前に、何故珈琲が好きではないのか?どちらかというと嫌いだったので、何故嫌いなのか、その原因、理由を考えてみたのです。

まず、何よりも嫌なのは、どぎつい口当たりです。日本茶や紅茶と比べても、珈琲が口に入って来た時の繊細さの欠けた不躾さはなんとも性に合わない。それに喉を通過した後に残る酸味の含まれた苦味が、いつまでも消えないことでした。それまでの珈琲体験が良くなかったのかと思い、実際に焙煎に取りかかる前に、名店珈琲を探訪することにしたわけです。

結果、私の目指す珈琲のコンセプトと特徴を設定することが重要だと思いました。私にとって、好きな珈琲、理想の珈琲とはどんな珈琲なのか?と考え出したのです。

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2016/11/17

写真と珈琲のバラード(8)

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先日撮影した房総半島での「道」で、写真集『常ならむ』掲載のための撮影行は終了。予定より3ヶ月ほど遅れたが、昨日から写真のセレクトを始めました。

以前にも書きましたが、『常ならむ』は6章で構成するつもりです。掲載作品中、最も新しいのは「道」です。これは記憶の底に降りて行き、茫漠として焦点が合わない風景にピントを合わせる試みです。過去を思い出そうと時間軸に沿って記憶を遡っても、いつの間にか思い出の闇の中に消えてしまいます。私の場合は、切れ切れ、断片的にですが、幾つか鮮明な映像が残っています。その残った映像を手掛かりに私の「道」を探します。

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2016/11/15

写真と珈琲のバラード(7)

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朝の美味しい珈琲を飲み、豊かな気持ちになって写真について考える。

昨日(11/14)は早朝4:00に起きて撮影に出発。
写真集『常ならむ』に掲載する内では最も新しい作品になる「道」を撮りに南房総へ向かいました。

予定では今頃『常ならむ』は希望された方のお手元に届いてるはずでしたが、未だに「道」を探して撮影続行中ですから、刊行は来春になります。

「道」を撮った写真で直ぐに思い出すのは、ロバート・フランクが撮影したハイウェイです。いかにもアメリカらしい幅広い道路が地平線の彼方まで一直線に続いてる写真です。大陸を感じさせるスケール感が、何やら人生の道程すら想起させ、何重にも続く大きな起伏が、一筋縄ではいかない道筋を予感させる素晴らしい作品です。ここまでは私が鑑賞者としての言葉です。私は写真家ですから、創作者としての言葉もあります。そして自分にとっての「道」があります。

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