『ゆとりが丘クリニック便り』

『ゆとりが丘クリニック便り』

とてつもなく素晴らしい本に巡り合った。

その名は『ゆとりが丘クリニック便り』駒草出版、著者は高橋邦尚先生。岩手県滝沢市にある「ゆとりが丘クリニック」院長である。
著者と私は面識がない、多分。一関ジャズ喫茶「ベーシー」のマスター菅原正二さんから送られてきた本なので、もしかしたら「ベーシー」でお会いしたことがあるのかもしれない。

著者の「まえがき」によると、「日々の予定表やワクチン接種のお知らせなどを患者さんにお伝えするためのものだが、どうしても”スキマ”ができてしまうので、その埋め合わせに思いつくままに書き綴ったものである」と書いてある。
いやいや、油断して軽い気持ちで読み始めたら、いつの間にか自分の生き方を思わず振り返っていた。
エピソードに出てくる死を迎えた患者さんたちのそれぞれの最後が、どの話も心に沁み渡る。高橋先生の語り口が、深い人間愛に支えられているからだ。
普通に生きて淡々と死んで行くなんて難しいだろうと思っていた私の死生観をもう一度考え直すことになりそうだ。
ネタばらしになってしまうので、ここで内容を詳しく書けないがとにかく感動しました。


 

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