2021/09/20
「神殿」(8)
咲いている時よりも、こうして枯れた時の方が一つずつの個性が現れているように思ってしまう。時間の経過が個体にとって必要なものだけを残すからだろうか。洗練とはなんだろう。
咲いている時よりも、こうして枯れた時の方が一つずつの個性が現れているように思ってしまう。時間の経過が個体にとって必要なものだけを残すからだろうか。洗練とはなんだろう。
目白のギャラリーで美しいガラスを見つけた。
荒川尚也さんの作品だと教えられた。
この時は荒川さんを知らなくて、美しいフォルムと透き透った水のような質感に惹かれた。
このガラスを見た瞬間に、私が大切にしてる枯れたラナンキュラスと出会わせてみたいと思った。
ボトルに挿していた一年前の菊花を、次の季節まで待って撮った。
曇りガラス越しに見る若い花と枯れた花。なんてことなく当たり前に繰り返されていることだけど、日常は見る人によって面白くも、美しくも、哀しくも、馬鹿馬鹿しくも、いかようにも感じられる。
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