2009/08/10

午前四時四十四分

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八月二日に富山から戻り、三日は都内で打ち合わせ、四日からロケハンのために阿蘇へ行く。
熊本の雨は、あいかわらず凄い。雨が止む合間を縫って撮影場所を決めてきた。

このところ、ほとんど家にいる時間がとれず、九月五日に決まっている写真展のオープニングを考えると、お尻のあたりがムズムズする。
無理ないです。プリントどころか、まだ撮影すら終わってないのだから。

それにまた、多忙だというのに、さまざまなことを、いろいろ発見してしまうから余計に忙しくしてるのです。
わかっているけど僕の性分だから仕方ない。

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富山から戻った日は、そのまま打ち合わせもあり、帰宅したのが、深夜の零時を過ぎていました。車を停めて、さあ、家に入ろうと玄関の戸に手をかけようとしたその時、柱の中ほどに奇妙なものがくっついているのに気がついたのです。近づいてよく見たら、蝉が羽化の真っ最中だった。しばらく眺めているうちに、あることを思い出した。それは「ひぐらし」のことです。

以前、極楽寺に住んでいた頃、家の裏が山だったので、夏になると蝉しぐれに圧倒されんばかりでした。中でも「ひぐらし」の声がたまらんのです。「ひぐらし」が「カナカナカナ」と独特な音を発するのは夕方だけだとばかり思っていたら、明け方にも鳴くことを知ったのです。その明け方の「ひぐらし」の声が、まことに美しいのです。

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2009/07/31

ぼんぼり祭り

dscn1175今年もぼんぼり祭りが近づいてきました。

鎌倉鶴ケ丘八幡宮の夏の風物詩です。

毎年、八月七日から九日までの三日間、参道の両側から境内まで、約四百基のぼんぼりが灯されます。これらは八幡宮から依頼された各界の方々によってさまざまな図案意匠を凝らしたものなので、なかなか味わい深い祭りです。薄暮の頃、巫女さんの手で、一斉に蠟燭の火が灯される光景は、風情があって僕は好きです。

八幡さまに言われて、三年前から僕もこの祭りに参加するようになりました。
しかし、今年は仕事に追われて、ぼんぼり制作に着手できず、ついに締め切りの七月二十日を過ぎてもまだ手つかずの状態でした。それで八幡さまにお願いして、お渡しするのを月末まで延ばしてもらったのです。

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2009/07/23

近況

前回の書き込みから、ずいぶん日にちが過ぎてしまいました。

蓼科、大阪とロケが続き、その間にも対談、講演、大学の授業と休みなしで動いていました。
何よりも、少しでも余裕があれば、9/5日から始まる個展のための撮影に時間を使いたかったのですが、それもままならず、どうなりますか。

ちょっと他人事みたいに聞こえたかもしれませんが、とんでもないです。寝ても覚めても、写真のことばかり考えています。
以前、「フレーム」というタイトルで、次の展覧会にふさわしい写真フレームについてささやかな感想を書きました。
現在も、今撮っている写真にふさわしいフレームをずっと探し続けているのです。

京都の「三角屋」さんから、江戸時代の栗の柱材で作ったフレームが送られてきて、暇を見つけてはそれを必死で磨いた結果、僕のイメージどおりの質感が出来たのですが、写真を嵌めてみたら、・・・なんだか違うのです。
どう言ったらいいのかわかりませんが、あまりに材が主張して、フレームが物質的になってしまい、肝心の写真が一枚の紙になってしまうのです。写真は印画紙なんだから、紙で当たり前と思われるでしょうが、そうではなくて、僕としては、作品を目の当たりにしたら、当然ながら写真の中身、表現してる世界に気持ちが飛び込みたいわけです。
フレームひとつ取り上げても、問題山積です。

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