多摩美術大学最終講義(10)続・身体、目隠し写真
写真を撮る際に必要な要素の一つに、「身体的な感覚」があると思います。
ここで言う「身体的な感覚」とは、運動神経に近い分野と生理的な趣向に近い分野と、大きく2種類に分けられる。
どちらにも共通しているのは、思考で判断した行為に基づかないってことです。
いわゆる知識や比較が決断の引き金にならずに、学生達にはもっと速度のある本能的な感覚を体験してほしいと思っています。
写真の授業の中で「身体的な感覚」の実感をどうやって体験してもらうのか、悩ましいところです。
「見えない状態で写真を撮る」のは、私の授業の中でも大事なカリキュラムです。
学生には広いグラウンドに出てもらいます。
まずグラウンドに直線を引きます。
学生達をA,B二組に分け、A組は一定の感覚を空け、グラウンドに引いた直線に沿って一列に並びます。
目の前に三脚を立て、カメラをセットしたら、自分の目の前の直線にフォーカスを合わせます。
B組は、引いた直線の延長線上の離れたところに並んで立ちます。
これで準備完了。
A組は三脚にカメラを設置し、目の前の直線にレンズのフォーカスを合わせた状態で待ちます。
グラウンドに引いたライン上をB組の学生は一人づつ順番に全力疾走します。
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