2013/11/02

ライカA型

パリにいる間に蚤の市へ行った。

雑誌などでもよく目にする有名な「バンヴ」の市です。
早朝に行った方が掘り出し物がある、というので、現地には7:30分ごろに到着した。
それぞれの出店が商品を運び込んでは並べている。
どれくらいの数の店が出店してるのだろう、ちょっと見当もつかない。
道の両脇にズラリと商品が並んでる。100m以上の長さはあると思う。
すぐに1軒の店が目に止まった。商品を並べた棚の上に、古いライカのボディが置いてある。
手に取って見たら、ライカA型です。
これはライカが初めて量産したカメラです
レンズが沈胴式で、シリアルナンバーから推察すると、かれこれ7~80年前に製造されたカメラです。
エルマー50mm、F3.5のレンズが付いてる。

僕はそれほど中古カメラに詳しいわけではないが、日本でこのタイプを購入すれば多分、50mmのレンズが付いて状態さえよければ、15~20万円ぐらいはするだろう。
店の主人に値段を尋ねたら400ユーロだという。
1ユーロ150円で計算すると、60000円。このカメラの機能が壊れていなければ、この値段は安い。
レンズを繰り出して、シャッターを巻き上げる。ボタンを押すと「カシャッ」と、ライカ独特の音がする。裏蓋を開けて内側のチェック。まともだ。再びシャッターを巻き上げてボタンを押すと、シャッターが落ちてる手応えはあるのだが、視覚で確認出来ない。
うーんどうしよう?
購入するかどうか、財布に入ってる現金を確かめたら、40000円分しか持っていない。
もう買うしかない。
「すぐ戻って来るから、それまでこのカメラをkeepしておいてくれ」と店主に頼むと「30分だけなら待つ」という。

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2013/10/05

パリ滞在最後の日

chambre

ついに今日がパリ滞在最終日になってしまいました。
こちらに到着したのが7/6でしたから、ちょうど3ヶ月です。
パリ→ロンドン→パリ→ベルリン→ミュンヘン→パリ→キエフ→パリ→ロンドン→パリ
その間のスケジュールですが、当初はこれに加えて、オランダ、オーストリア、スイス、ベルギー、イタリアまで訪ねる気持ちでいたのです。
とんでもなかったです。
今回の日程ではこれが限度でした。

写真が生まれた場所へ行き、その空気を吸ってみる。
写真術誕生の事情を調べ、発明当初のオリジナルプリントや銀板を見る。
博物館、美術館、コレクターなどを訪ね、19世紀から20世紀にかけての初期写真を見る。
これらの目的は果たせました。
何しろ当地へ行かない限りは目にすることは出来ませんから。
成果はこれからゆっくり熟成して、答えを発表する機会を作ります。

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2013/09/30

写真を考える

picture

ヨーロッパ滞在も残りわずかになってきました。
フランス、ドイツ、イギリスを訪ねて、途中、番外でウクライナ訪問もありました。
今回の滞在の目的は、「写真」が生まれた場所へ行き、その風土の空気を直接吸って、そこから感じ取ったものをこれからの表現や教育に反映させてみたいと思ったのです。
少しばかり滞在しても、その土地の空気を吸ったからって何も得られるものはないよ、と思う気持ちもありましたが、「経験しなければ何も始まらない」をモットーにここまで生きてきましたので、今回も周囲の迷惑や無理を押して実行しました。
現在は特に情報が発達して、実際にその土地

まで出かけなくても、それどころか地元の人以上にその土地の知識や情報に詳しい人もいます。書物やネットで得たものは自分ではない誰かの意見や感想です。書かれた人の眼鏡を透して見た風景です。
僕は自分の目で見たい。
何も感じなくても、言葉に出来なくても構わない。言葉に置き換えれば置き換えるほど、感じたそのものから遠ざかっていくものですよ。
どれほど言葉を使う表現に巧みな人でも、書き終わった後に必ず口惜しい気持ちが残るはずです。上手くいけばいくほど、どこか核心から外れてしまうのが、言葉に限らずあらゆる表現の宿命だと思っています。

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