写真を考える
ヨーロッパ滞在も残りわずかになってきました。
フランス、ドイツ、イギリスを訪ねて、途中、番外でウクライナ訪問もありました。
今回の滞在の目的は、「写真」が生まれた場所へ行き、その風土の空気を直接吸って、そこから感じ取ったものをこれからの表現や教育に反映させてみたいと思ったのです。
少しばかり滞在しても、その土地の空気を吸ったからって何も得られるものはないよ、と思う気持ちもありましたが、「経験しなければ何も始まらない」をモットーにここまで生きてきましたので、今回も周囲の迷惑や無理を押して実行しました。
現在は特に情報が発達して、実際にその土地
まで出かけなくても、それどころか地元の人以上にその土地の知識や情報に詳しい人もいます。書物やネットで得たものは自分ではない誰かの意見や感想です。書かれた人の眼鏡を透して見た風景です。
僕は自分の目で見たい。
何も感じなくても、言葉に出来なくても構わない。言葉に置き換えれば置き換えるほど、感じたそのものから遠ざかっていくものですよ。
どれほど言葉を使う表現に巧みな人でも、書き終わった後に必ず口惜しい気持ちが残るはずです。上手くいけばいくほど、どこか核心から外れてしまうのが、言葉に限らずあらゆる表現の宿命だと思っています。
Recent Comments