サンフランシスコ ロケ最終日
現在、カリフォルニア州オークランドのホテル、HILTON GARDEN INN 8階の部屋でこれを書いています。
時間は現地時間で早朝4:30です。
撮影の仕事で来たのですが、一昨日無事終了しました。
天気予備のためにとっておいたスケジュールが昨日でしたので、一日オフの時間が出来たのです。
今回の仕事は、ロケハンのために3/4~8日まで滞在し、一旦帰国して別の撮影を片付け、3/13日の深夜、正確には3/14日午前0:20分に、羽田からサンフランシスコに再び入りました。
幸い天気にも恵まれ、一昨日の17日に撮影は無事に終わったのです。
私が初めてサンフランシスコへ来たのは1974年でした。
その後、確か2回来ているので、今回が4回目のサンフランシスコではないかと思います。
あまりに時が過ぎているので、はっきりしませんが。
今となっては、外国の何処もあまり興味を惹かれません。行きたい国や場所も無いし、かといって日本が大好き、というわけでもない。
なんというか、今となっては何処の土地でも変わらない、といった心境です。
出来れば外国へは行きたくない、と思っています。
数えたことはありませんが、海外へ出たのは多分200回を超えているでしょう。写真家になって今年で44年目、平均1年に5回の計算でも200回を超えてしまう。多い時は年に12~3回は外国へ行っていたので、あるいは200回よりもっと多いかもです。
どちらかというと、外国は苦手です。言葉が不自由ということもありますが、なんというか、時間を持て余すのです。
格別欲しいものもないから買い物は行きません。見たい風景や場所、建物もないし、食べてみたい食事もない。ただ、ホテルと撮影場所を往復して帰って来る、ことが多いのです。
昨日は早朝6:00からホテルにあるジムへ行き、ランニングマシーンで走ったり、機械を使って筋トレをやりました。1時間20分で部屋にもどりました。このロケの期間はトレーニングは毎日、日に2度の時もありました。
オークランド滞在最後の日でもあるので、ダウンタウンのギャラリーに写真でも見に行こうかと昼前にサンフランシスコの街へ行きました。
日本でもほとんど写真展に行くことはないので、ましてやサンフランシスコのギャラリーなど一つも知りません。
幸いにも今回の仕事のコーディネイターがカメラマンだったので、彼にお薦めギャラリーの住所を聞いてGeary st.にあるFraenkel Galleryに行きました。
私が知らないだけで、過去に開催した写真家の顔ぶれを見ると、たいへん有名なギャラリーらしい。
アーバス、アッジェ、ベロック、エグルストン、リー フリードランダー、ナン ゴールディン、ミズラック、マイブリッジ、スティーグリッツ、ウィノグランドなど、この人たち以外にも私の知らない写真家の名前が列記してあった。
この日はAlec Sothの「Songbook」というタイトルの展覧会だった。
アレック ソスの名前は聞いたことがあるが、写真作品は具体的に思い出さなかった。
8×10インチのディアドルフカメラを使って写真を撮る作家かと思っていたら、私の勘違いだったかも。
展示作品はモノクローム写真で、All photographs were made in the US between 2013 and 2014 とあるので、最新作らしい。
風景と人物、特に人を撮った写真は手前からストロボをたいて撮影してることが多いせいか、私の最初の写真集『蘭の舟』を思い出して懐かしく感じた。
プリントは素晴らしく美しかった。
説明がなかったので、ゼラチンシルバープリントの紙焼きか、デジタルの出力かはっきりわからなかった。
最近のデジタル技術の進歩はめざましく、まるで銀塩プリントで焼いたのと遜色ない。紙の種類を考えると、むしろ展示するのはデジタルのほうが向いている。
ギャラリーの空気はしんとして、オフィススペースに座っていたスタッフからもプライドある雰囲気が伝わってきた。
今年の秋に、私も自分のギャラリーで作品展を計画しているから、そういう意味でなかなか興味深い展示でした。
このビルは他にも幾つかギャラリーが入っていて、気がついたらいつの間にか3時間過ぎていた。