茶毒蛾「最終回」

茶毒蛾の幼虫に刺されて今日で8日目。
ついに終息の気配を感じます。

今日の痒みは確実に声が小さくなっています。
昨日までの痒みは大きな声を張り上げてるような痒みですが、現在はひそひそ話を聞いているようです。痒みを感じてるところも、ブツブツの大きさは小さい。しかも集団ではなく単独だから、「ブツブツ」ではなく「ブツ」ですね。他は腫れもひいて色も彩度が消えています。
この8日間を思い出すと、痒みが最も酷かったのは2日目でした。4日目くらいまでは、前途は暗澹として、希望も失いかけましたが、今は「勝った!」の気持ちです。

しかし、あらためて全身を見回すと惨憺たる光景です。
まるで戦場のようです。カサブタがいたるところにできていて、掻きむしった痕がわかります。
今も軽い痒みは感じますが、勝利の喜びの方が大きいので、ほとんど気にならない。

今回の茶毒蛾事件(?)中、毎日の焙煎はもちろん、暗室でのプリント、撮影、大学での講義、原稿書き(2本)、打ち合わせ3回、そして昨日はカフェマスターをやりました。それぞれに茶毒蛾の影響があったかどうかわかりませんが、多分無かったと思います。
失ったものより得たものの方が大きかったと思っています。我慢した分だけそう思いたいのです。

昨日の午後、次の展示の準備が終わってギャラリーを片付けていたら、陶芸家の升さんが来ました。「どうしてるかと思って顔を出しただけなんだ」と言って、何となくそそくさとしてるように見受けられます。カフェでコーヒー飲みますか?と尋ねたら、「これから医者に行くんだ」と言います。どうしたの?と言うと「庭で雑草むしってたら、急に痒くなってね」と言ってシャツをまくって腕を見せてくれました。なんと、一面に赤いブツブツが発症しているではありませんか。

「これ、茶毒蛾ですよ」と言うと、「何それ?」と不審な顔つきです。
今回の体験をかいつまんで話すと、「あっそう、家の庭は椿の樹がたくさんあるよ」
やっぱり、と思っていかに医者に行かずに我慢したかを説明しようとしたら
「じゃあね、これから医者に行って来ます」と帰られました。

ああ、僕は無駄な時間を費やしていたのかな、の思いが残りました。

 

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