ここ数日

今日は9/16日、数日前からやっと涼しくなってきました。

季節の過ごしやすさとはうらはらに、昨日15日はある意味、僕にとって大変な日だったので、ちょっと思い出しながら書いてみます。

まず、前々日からほとんど眠れない夜を過ごしていました。

9/13日は撮影で京都に滞在していたのですが、夕方ごろから断続的に歯が痛み出したのです。
夕食はスタッフと一緒だったのと、それほどの痛みではなかったので、我慢して食べたのですが、ホテルの部屋に戻った頃から激しく痛み出しました。
夜が更けるにしたがって痛みはますますひどくなり、フロントに電話して、深夜に開いている薬局はないか、訊ねるほどでした。
とてもベッドに横になる気分になれず、結局朝まで立ったり座ったりして過ごしました。


翌日の撮影は午前7時から始まったのですが、どういうわけか、痛みはケロリと無くなり、「あれは何だったんだ」と思うくらい、何事もなく撮影が終了しました。
撮影が終わるとすぐにスタッフと別れ、新幹線に乗ったのですが、この頃からまた何となく歯が疼いてきたのです。
自宅に戻ると、すぐに翌日の大学授業の準備を始めました。
今回は授業を休むわけにはいきません。
提出された学生の写真から優秀作品を選び、記念に僕の写真集をプレゼントする日なのです。
課題は僕が勝手に「顔面グランプリ」と名付けた授業の一つで、日常生活空間の中から顔に見えるものを見つけて写真に撮りなさい、というものです。
なんのことか理解しにくいと思いますが、簡単に説明すると、普段は顔となんの関係もなく存在しているものでも、ふとした瞬間、顔に見えてしまうことがあり、それを撮りなさい、という授業です。

ふとした瞬間の「ふと」とは何かを考える授業です。
自動車のフロントが顔に見えたり、野菜や岩石が誰かに似ている、なんて感じた経験は誰でもあると思います。
それを積極的に発見しようじゃないか、というものです。
最初は、顔に見えただけで喜ばしいのですが、そのうち顔に見えるだけではつまらないことに気付きます。
意外性、おもしろいとつまらないの差、表情とは何か、認識の共通性、など発見する要素は多々あります。
光と影、アングル、自分の位置、被写体との距離、なによりも、想像力が要求されます。
まったく異なった物質の出会いほどおもしろい。
そして、自分がその顔の第1発見者という喜びもあります。


学生が撮った写真を選んでいる頃は、猛烈な歯痛に襲われていましたが、セレクトも終わり、部屋で休んでいたら、痛みが薄らいだので、コーヒーの焙煎を始めました。
このところ、「モカ・シダモ」というエチオピア産の豆の焙煎に興味があるのです。
酸味と甘味が絶妙にバランスよく感じる焙煎方法があるのです。
それ以外にも3種の豆の焙煎をやり、飛び散ったチャフを片付けて、さあ、寝ようとしたら、またまた痛みが襲ってきました。
結局、朝方うつらうつらしただけで、大学に向かいました。

自宅から大学までは車で約2時間かかります。
朝は痛みが軽かったので、途中、薬局に立ち寄り、知覚過敏用のうがいぐすりを買いました。

僕は楽観的すぎるのか、これで歯痛も遠のくなるだろうと高を括っていたら、授業が終わる頃、またまた猛烈に痛み出しました。

授業は4:30分で終了し、作品を見てもらいたいという学生を断って、多摩センターにある大学美術館へ向かいました。
18日から始まる「劇顔」と「FACES」展の展示を確認するためです。
助手の上原さんを助手席に乗せて、走り出したのですが、途中、どうしても痛みに我慢出来ず、薬局で痛み止めの薬を買い、その場で2錠飲みました。
美術館に到着した頃はさらに痛みが激しくなり、6時間は間隔をあけてください、と言われたのを無視してさらに2錠飲んでしまいました。


美術館の壁には、展示する作品がすべて揃っていました。
いつもなら、自分で照明をするのですが、今回は美術館の仙仁さんがあらかじめライティングをされていて、それが良かったので、そのまま続けてくださいと頼みました。
スポットを効果的に使い、イメージどおりの灯りでした。
やはり、写真は壁に掛けるといいですね。
人の顔には説得力があります。
凄い迫力でした。
18日のオープンが楽しみです。

そして、さらに歯の痛みも猛烈になり、頭を壁にぶつけるか、ペンチで歯を抜き取ってしまいたいくらいでした。
もともと僕は歯が丈夫で、虫歯は1本もありませんでした。
歯科医の話では、歯が丈夫な人ほど、歯周病や知覚過敏になりやすいらしい。
僕の歯も、それかもしれない。
もしそうなら、神経を抜いてもらうしかないかも。

美術館を出る頃は痛みと薬のせいで、頭が朦朧としていました。

 

 

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