2022/09/21

「スナップショット/1970〜71年」

 

ギャラリー展示作品の内
「スナップショット/1970~71年」

写真家になると決めた頃からスナップショットを撮り始めた。

独立することになったのは計画的ではなく、突然そうなったので、心も含め準備と言えるものは何もしてなかった。
生活の方法を考えるよりも先にやらなければならないことは、写真は一生かけて探求すべき価値あるものか自分なりに確かめたかった。
この頃は写真で何をしたいのかはっきりわからなかった。ただ、初めから報道写真の真実性を信じていなかったので、報道の道へ進む選択肢は捨てていた。
伝えたい主題が無い時、写真で何を表現するのか。
他の人と私を区別するものは何なのか、写真を撮ることで少しでも明確になればいいと思った。

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2022/09/11

「カジキマグロ/松下電器ストロボ雑誌広告/1973年」

カジキマグロ/松下電器ストロボ雑誌広告/1973年

1973年、松下電器携帯ストロボ雑誌広告シリーズの一つ。ダイバーがヒレに捕まったまま、カジキマグロが水中から飛び上がった瞬間を撮ろうと考えた。

撮影の手順にヒントがあります。
まず初めに画面左フレーム外の堤防から人がジャンプして飛び降りる。次に、先に飛び込んだ人の水しぶきが上がるタイミングに合わせて、カジキマグロを抱いたダイバーが飛び降りる。
カジキマグロが着水する寸前、まだ空中にある状態でストロボを閃光させるのだ。

水しぶきがあるために、カジキマグロとダイバーは水中から飛び上がったように錯覚する。
この頃は、錯覚、はっきり見えない、出会い頭、曖昧などにとても興味があった。それも完璧ではかえってつまらない。その興味は50年経た現在も続いてる。

後方に浮かぶ漁船は撮影の時偶然現れた。

AD・D東澤雅春、C松岡英輔


2022/09/11

「ボクシング/松下電器ストロボ雑誌広告/1974年」

ボクシング/松下電器ストロボ雑誌広告/1974年

1974年、松下電器デザイナー東澤雅春さんから、携帯ストロボ雑誌広告の撮影依頼があった。

ストロボは閃光時間の短さから、肉眼では確認出来ない動きの瞬間を凍結させることも可能だ。今では当たり前の事だが、50年前はまだ広告には珍しいアイデアだった。日常生活からさまざまな現象を選び、凍結した動きをビジュアルとして実際に見せると、強いインパクトが生まれるだろうと考えた。
殴られて吹っ飛び、リングから落下するボクサーを空中で静止させることを思いついた。
ストロボの特徴と効果を一目でわかる「百聞は一見にしかず」が頭にあった。

映画のスタントをやっていた「JAC(ジャパンアクションクラブ)」を訪ねて、リングから落下するボクサー役を頼んだ。リングサイドに集まったカメラマン、関係者、観客、などはデザイナー、コピーライター、スタイリストなど撮影スタッフにお願いして出演してもらった。スタッフ全員の手作り撮影だ。但し、リングから本当に落下することはリングサイドカメラマンに知らせないでいた。
また、ボクサー役のスタントマンには、ヒラリと足から着地しないで、ぶざまに腰から落ちるように頼んだ。
殴られて吹っ飛ぶのだから見事に着地しては困るのだ。

本番は一発勝負。
ボクサーはしたたか腰を打ったと思う。

AD・D→東澤雅春、C→松岡英輔、ST→児島雪絵、M→JAC


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