「近眼旅行/雑誌話の特集/1973年」
ギャラリー展示作品の内
「近眼旅行/雑誌話の特集/1973年」
私は眼が悪い。近眼である。普段は眼鏡をかけているので日常生活に支障はないが、眼鏡を外すと途端に視界に映るものの輪郭がぼやけ、認識が曖昧になる。
ある日、むしろハッキリ見えないことによって形態の抽象性が増し、かえってモノの存在する実感は強くなるのではないかと思った。
それに、輪郭がボケると視界に映る被写体の何に興味を持つのか、自分なりに確かめたかった。
そこで使用するレンズ(この場合ブラナー80mm)のフォーカス位置を、私の肉眼でピントが合う距離に合わせて固定し、旅に出た。
焦点が合わないまま無理に見ようとすると、しきりに動くものに興味がいくことに気がついた。
今回ギャラリーで展示するのはこの時撮影した作品の内、乗り物ばかり選んでプリントした。
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