2022/09/24

「行き行きて重ねて行き行く/流行通信/1978年」

行き行きて重ねて行き行く/流行通信/1978年

ギャラリー展示作品の内

「行き行きて重ねて行き行く/流行通信/1978年」

アートディレクター石岡瑛子さんから連絡あり、雑誌流行通信の撮影をご一緒することになった。

石岡さんにはすでに具体的なイメージがおありだった。
中国の古い時代の子供が描かれた絵だった。
京劇に登場するような衣装、メイキャップで撮れないか、だった。
石岡さんがお持ちの資料を拝見し、それを元に具体的な私の感想を伝えた。

スタジオのホリゾントに黒土を敷き詰め、カットによっては蓮の花を植えましょう、被写体は素人の子供がいいと話した。
スタジオまんまの空間ではつまらないし、ロケーションではまったく世界が違ってしまう。文字通り「土の匂いのするホリゾント」がイメージとして浮かんだ。
女の子は石岡さんの姪御さん、男の子は私の家の近所で遊んでいた子をお願いした。

続きを読む


2022/09/24

「ピクニック/雑誌メディテーション/1977年」

 

ギャラリー展示作品の内

「ピクニック/雑誌メディテーション/1977年」

写真家になってからの私はずっと不安感神経症に悩まされていた。
予測不可能、意味不明、曖昧、つまり原因もわからず結果も想像出来ないものが、最も真理に近い、という感覚に支配されていた。
上手く言葉に置き換えられないが、人生に於ける力の傾きは偶然に支配されている。なのに、自分の理性はどうしてもその絶対的ともいえる偶然を受け入れてくれない状態が続いていた。

突然襲ってくる不安感をどう解決していいのかわからないまま日常生活を送っていた。
ある時、精神のバランスの悪さそのものを写真に撮れないか、と考えた。

続きを読む


2022/09/23

「砂漠にロボット、馬/松下電器トランジスタラジオ雑誌広告/1977年」

砂漠にロボット、馬/松下電器トランジスタラジオ雑誌広告/1977年

ギャラリー展示作品の内
「砂漠にロボット、馬/松下電器トランジスタラジオ雑誌広告/1977年」

松下電器雑誌広告ロボットシリーズの一つだ。

クライアントからの注文は、商品を使って広告展開したいとのことだった。それならいっそのこと全身商品で出来ているロボットを登場させたらどうだろう。
初めはライブ会場で歌うロボット歌手を撮ったが、狙いどころがボケて気に入らなかった。

次に、朝、ホテルのベッドから起き上がるロボット男を撮ったが、これもインパクトが弱い。

続きを読む


1 35 36 37 38 39 40 41 249

permalink :

trackback :