「宿愚連若衆艶姿/パルコ広告/1980年」
ギャラリー展示作品の内
「宿愚連若衆艶姿/パルコ広告/1980年」
アートディレクター石岡瑛子さんからパルコの広告撮影の仕事がきた。
石岡さんはこの時点ですでにアイデアがあり、ニューヨーク在住のあるアーティストが作る被り物を使って広告を作りたい、だった。
後日、私を含めたスタッフがニューヨークへ到着すると、先乗りしていた石岡さんから被り物のスケッチを見せられた。豚や犬などを擬人化した動物の頭の被り物で、私はそれを見て面白いCMが出来るだろうと想像した。
ところが撮影本番二日前に、突然石岡さんから呼び出され「アーティストからキャンセルされた、この仕事は成立しないかも」と伝えられた。
本人から送られてきた手紙を見ると、そこには日本の企業に打撃を与える趣旨の内容が書かれていた。
続いて「十文字ならどうする?」と言われ、ご自分はトイレに閉じこもってしまった。
時々トイレから出て、部屋の中を歩きまわりながら国際電話でクライアントに事情を説明されていた。
「どうする?」と問われた私は、ニューヨークへ来てからのことを思い返していた。
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