おいしいコーヒー(16)
今年の春頃には、自分が理想とするコーヒーの味、香りに、かなり近づいてきました。
しかし、あと一歩のところがどうしても気に入りません。
特に「香り」です。
僕が思うのは、カップを近づけると何ともいえない花のような香りが漂い、口に含んだ時のまろやかな口あたりがコーヒーを楽しむ条件です。
ところが、まろやかにしようとすると抜けが悪くなり、抜けをよくするために火を調節すると、口あたりがきつくなる。
香りも豆の香りだけになってしまいます。
それまでにも、考えられるあらゆる火加減を試したのですが、満足できません。
今年の初め頃は、魚焼きの網をいろいろ買って来て、火の強さを調節したり、「直火」と「間接」、両方の焙煎器を使い回したり、ダンパーを自作して煙を利用したり、ダブル焙煎したり、まあ、今から思うと、無駄な試みもありました。
そうこうしてるうちに、焙煎器の素材が問題ではないかと思い出したのです。
何故なら、どんなに腕のいい料理人でも、ステンレスの薄い鍋でおいしい卵焼きを作ることは出来ないだろう、と気付いたからです。
焙煎器の熱が、豆にどう伝わっていくかが問題です。
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