2010/11/09

おいしいコーヒー(17)

口あたりを主に考えると、弱火をうまく使う必要があります。
全体を強火で仕上げると、飲む時の口あたりが強くなります。ただし、強火のいい面ももちろんあるわけで、飲み終わりの抜けがよくなるのです。
ですから、間接の場合は、強火と弱火の両方を使いこなしていかなければなりません。

僕は当初、カフェ厨房のガスコンロを使って焙煎していたので、強火に関しては問題なかったのですが、弱火が思ったようにいきませんでし

た。それは、焙煎器の形と関係していたのです。焙煎器のシリンダーを回転させるためのハンドルが、ガス台にぶつかってしまうため、焙煎器の高さを火元から8cm上げたのです。この火元から遠ざけたことが原因で柔らかな弱火を使うことが出来なかったのです。
弱火がシリンダー全体を包むようにして豆に熱を加えねば柔らかな口あたりは実現できません。
火元からの距離に気付くまで、だいぶ時間を使ってしまいました。

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2010/10/30

おいしいコーヒー(16)

今年の春頃には、自分が理想とするコーヒーの味、香りに、かなり近づいてきました。
しかし、あと一歩のところがどうしても気に入りません。
特に「香り」です。
僕が思うのは、カップを近づけると何ともいえない花のような香りが漂い、口に含んだ時のまろやかな口あたりがコーヒーを楽しむ条件です。
ところが、まろやかにしようとすると抜けが悪くなり、抜けをよくするために火を調節すると、口あたりがきつくなる。
香りも豆の香りだけになってしまいます。
それまでにも、考えられるあらゆる火加減を試したのですが、満足できません。

今年の初め頃は、魚焼きの網をいろいろ買って来て、火の強さを調節したり、「直火」と「間接」、両方の焙煎器を使い回したり、ダンパーを自作して煙を利用したり、ダブル焙煎したり、まあ、今から思うと、無駄な試みもありました。
そうこうしてるうちに、焙煎器の素材が問題ではないかと思い出したのです。
何故なら、どんなに腕のいい料理人でも、ステンレスの薄い鍋でおいしい卵焼きを作ることは出来ないだろう、と気付いたからです。
焙煎器の熱が、豆にどう伝わっていくかが問題です。

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2010/10/19

おいしいコーヒー(15)

コーヒーの焙煎は、火を使うので偶然性が伴います。
どんなに厳密なやりかたをしても、最終的な出来不出来を決定するには運が左右します。
豆の状態と火の加減とが、うまく噛み合わないと思ったようになりません。

昨年の11月から焙煎をやり始めて、そろそろ1年になろうとしています。

仕事で家を留守にしない限り、毎日必ず焙煎をします。
多い時は一晩で7回ぐらいするのですが、それも、同じ方法ですることはありません。
それほどたくさんの焙煎方法があるのか?と思うかもしれませんが、それがあるのです。
天文学的な数字になるくらい、焙煎方法は考えられます。

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