2010/09/05

写真展のプリント(2)

新しいベルゲールがどうして気に入らないかというと、古いベルゲールのペーパーをストックしていたので、同じ現像液でプリントし、比較したのです。
結果を簡単にいうと、新しいベルゲールは黒の色味が薄く暗部のグラデーションの再現性に品格が感じられません。黒の色調に厚みがないのです。
現像液を変えれば、また違う結果がでるかもしれません。
このへんは、好みの問題でもあるので、良いか悪いかではありません。まったく個人的な次元で話しています。
僕が持っている古いベルゲールは、好みに合っているのですが、サイズが小さくて今回の写真展には使えないため、新しい印画紙を探すことになったのです。

まず、印画紙を決める前に、やることがあります。
どうせ紙を変えるなら、この際、現像液もテストしてみようと思い、アンスコの処方箋に従って現像液を作ってみました。
どうしてアンスコにしたかというと、コダックの印画紙を使う事はないので、D-72系の現像液は最初から頭にありませんでした。
テストした現像液は以下の5種類です。

アンスコ、A–115
アンスコ、A–120
アンスコ、A–125
アンスコ、A–130
アンスコ、A–135

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2010/08/29

写真展のプリント(1)

9/18日から始まる多摩美大美術館でおこなわれる作品展のためのプリントが、先週、やっと終わった。

今回、「劇顔」の写真と、新たに「FACES」のモノクロ写真を展示します。

今の時代は、自分で写真をプリントしようとしたら、ある程度の覚悟が必要です。

どんな覚悟かというと、ちょっと油断してると必要なものでもいつの間にか無くなっているから、油断するな、ってことです。
いや、無くなっているならそれなりの対応も考えられるけど、同じ名前でありながら、中味が全然違ってるなんて普通に起こってしまうのです。
フランスの印画紙「ベルゲール」のことです。

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2010/08/09

若宗匠とコーヒー

8/7日、僕にとっては、特別な日になった。
茶道家元の若宗匠に、僕が焙煎したコーヒーをごちそうする機会がやってきたのです。
若宗匠の心遣いから生まれた、たいへん贅沢な経験でした。

どういうことかというと、この日、北鎌倉東慶寺でおこなわれる茶会に招かれていたのですが、僕の茶に対する未熟な経験では、きっと緊張してるに違いないから、事前に顔合わせをした方がお互いによろしかろう、という細やかな若宗匠の心配りで、当日、茶会の前に鎌倉の「CAFE bee」まで来てくださったのです。

理由はともあれ、茶の宗匠に自分が焙煎したコーヒーを振る舞うなんて、そうめったにあることではない。
久しぶりに気合いが入りました。

前日の8/6日は、北海道でロケハンがあったのですが、夕方、帰宅してから焙煎を始めました。
せっかくの機会ですから、自分が最高に気に入った心づくしのコーヒーを出したいじゃないですか。
家にいる時は、毎日焙煎してるので、もちろん、豆のストックは充分にあるのですが、これ以上ない、という至極のコーヒーを味わっていただきたい。茶の宗匠なら味に対しては鋭い感覚をお持ちなはず、茶もカフェイン、コーヒーもカフェイン、ここはひとつ、「うん、なかなかおいしいね」などと言わせたいと思うのは人情。
頑張って焙煎したのです。しかし、事はそう旨く運びません。何度やっても、理想の香りが出せないのです。

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