2014/02/23

「ありがとうの会」

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今年の3月末日で多摩美術大学教授の職を定年退職するのですが、この機会に教え子たちが集まって「ありがとうの会」をしてくれました。
2/15日のことでした。
会場は代官山にあるイタリアンレストランです。
楽しみにしていたのですが、なんと、前日は数十年ぶりという大雪。その影響で東横線が不通でした。会場まで来るには、渋谷か恵比寿から歩かねばならず、難儀なことで、皆集まれるか心配でした。

幹事が最もやきもきしたでしょう。
それが、100人を超える出席者で、感激しました。北海道から二日がかりで駆けつけてくれた人、雪に閉じ込められてどうしても来ることができない人から何通ものメールや電報をいただきました。なんとか間に合ったけれどすぐに戻らなければならない、一目顔を見たかった、と言ってUターンで戻った人もいました。
僕は恵比寿から歩きました。
開会を2時間遅らせて15:00からにしました。

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2014/02/03

多摩美術大学十文字美信・最終講義(6)

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4月から6月までの3ヶ月間は、大学のスタジオを使ってライティングの授業を実習します。
教えるのは基本的なことですが、伝えたいのは技術よりも繊細な注意力です。
光の階調と色彩です。
期間は短いですが実践する内容は深いので、応用する意識があればかなりの難度のものまで照明することができます。本当は最低でも1年間は光と遊びたいのですが、学生に経験してもらいたいことが山積しています。

7月からの授業は、新しいテーマの「顔」に移ります。
あらためて「顔」について考えてみましょう。

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2014/01/19

多摩美術大学十文字美信・最終講義(5)

昨日(1/18)、4年生卒業制作の採点があった。
今年は例年に較べても才能ある若者が多くいたように思う。

今年僕が卒業制作を指導した学生は12人。
現在の写真事情をそのまま反映して、作品の表現世界は多様に広がっている。
フィルムを使って、男女のヌードをモノクロ写真で捉えたオーソドックスなものから、完全なデジタル合成の作品まで多種多彩な作品が集まった。
写真はまさに過渡期、こんな時期に大切なことは若者の可能性を拡げること。フィルムやデジタルというメディアの垣根を越えて、指導者の好みや先入観を越えて接することでしょう。
学生を指導するためには、自分が育ってきた環境から導き出した指導法に対して、常に疑問を持つことです。事前にどんな準備をしたらいいのか、僕自身も試行錯誤してきた10年間でした。

忘れる前に、授業の内容をブログに書き留めておこうと思って始めたのですが、現実の進行の方が速くて、まだ最初の「光と影」の授業の内容を書いただけで中断していました。
続きを書いておこうと思う。

「光と影」の授業は最後にストロボ光源を使ったポートレートをスタジオで実習します。
化粧品広告などで使われるライティングは、主光源の種類を決め、暗部をいかに潰さないで照明するか、です。デジタルになってからは撮影後のレタッチが必要条件になってきますから、明部の情報を飛ばさず、暗部の情報を潰さない範囲で世界観を表現する心構えが必要です。
ある意味、フィルム時代より繊細な関わり方を学ぶべきでしょう。

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