一瞬と空間

8/27日から始まる資生堂ギャラリーでの展覧会の準備に追われています。

その忙しい最中にたまたま手にした本『春はまた巡る 芸術と人生これからを語る』デイヴィッド・ホックニー&マーティン・ゲイフォード著を読んでいたら気になる箇所があった。
8章「空、空」夕暮れの美しさを述べてる文中のこんな記述です。

「夕暮れの写真はどれも似通っている.写真では一瞬しかとらえられないからだ。写真には動きがないから、空間もない。だが描かれた夕暮れにはそれがある」

が目に止まった。
ホックニーさんは写真を使った作品も多数あるので、写真に対する造詣も深いのでしょうが、上記の文章は少々ガッカリした。

写真は一瞬をとらえるからこそ動きもあるし、空間の広がりも感じる。風景の内にも見えない根源的な存在を感じ取ろうとした写真もあるのだ、と知って欲しい。


 

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