最初に目にする作品は

仙女

8/27日から銀座資生堂ギャラリーで始まる「空想の宙 静寂を叩く 大乗寺十三室/十文字美信」展の内容を、日々考えている。

初日はもしかしたら、そうあって欲しくないが観測史上始まって以来の猛暑日になるかもしれぬ。そこまでいかなくとも猛烈暑いに違いない。
そのような過酷な条件に関わらず来廊される方をガッカリさせては申し訳ない。
なんとか満足していただける展示にしたい。
ギャラリーに向かって入り口階段下り、最初に目にする作品はどれにしようか。良し悪し、好みは別として、せめて涼しげな作品にしようと思った。

大乗寺客殿十三室の中で、人物が描かれているのは五部屋ある。その内で私が最も気に入った女性が「仙人の間」にいらっしゃる。円山応挙一門のなかで謎の絵師と言われる秀雪亭が描いた仙女だ。

切長の眼を伏目がちにして、貢ぎ物を捧げる他の仙人たち一行を振り返る。そのお顔は江戸の浮世絵で描かれる美人画とは明らかに趣きが異なっている。
そうだ、「目元涼しげな美人」とはこのような女性ではあるまいか。
暑苦しい外気から資生堂ビルに入り、ギャラリーに向かって最初に目にする作品は、この女性にしよう。
資生堂にはピッタリではないか。

さて、美女仙人をどのような展示にしましょうか
(画中の楕円形は私がテストプリント上に書いたものです)。


 

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