ハワイ日系移民の人たちを取材撮影しているうちに、移民の歴史として大きく括っては駄目だ。一人一人にそれぞれ異なった歴史があり、その違いを写真に撮ることが写真家だろう、と思った。出来ることなら一枚のポートレートでその人の歴史まで透けて見えないかと考えた。 真摯に人の体験を聞くというのは、その人に自分の影を重ねていくことでもあった。 まだ20代だった私の精神のキャパシティを踏み越えそうになり、その都度花を撮った。ハワイの生命力に満ちた花を見ることで人間愛の息が吹き返す思いだった。
Tags: 蘭の舟
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