写真に記録された記憶

記憶が不確かになっていくのは輪郭がボケるからではなく、ディテールを失うからだ。
写真に記録された記憶であれば消えることはない、と思いついた時にはもう細部の実体も定かでなくなっていた。
少年の頃に別れた父の思い出をたぐり寄せようとしたのに、不確かで奇妙な感覚だけしか残っていない。
曖昧な実感を写真化しようと試みた内の1点。
1976年に撮影して1977年雑誌「The Meditation」に発表した。


 

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