仕事の面白さ。
しばらくブログから遠ざかってしまいました。
一昨日北海道ロケから戻ったところです。
このところ撮影が続いて、先月は岐阜の白川郷でロケーションでした。
この時撮影した映像はもうすでにオンエアーされているので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。新聞15段広告は、6/1に日本経済新聞と本日6/8に朝日新聞に掲載されました。
白川郷の合掌造りを入れ込んだ風景写真ですが、風景というのは何と言っても光次第です。どんなに美しいと思われる場所でも、光次第で台無しになったり、感動的になったりします。しかし、たった数日間の滞在では、それほど光のドラマは期待できません。平凡な光であったとしても、何とかしなければならないのがプロの仕事です。この仕事のクライアントはカメラ企業ですから、合成はあり得ません。どのみちクライアントがカメラ会社でなくとも合成は考えていませんでした。
現場は合掌作りの家屋です。家の前の土地が田圃で、幸いにも時期的にまだ田植えがはじまっていません。それでその田圃に水を張り、水面に合掌造りを映し込ませ、まるで鏡のように上下に建物が見えるように考えました。
早朝の陽光が出る以前を見はからって、撮影時に色温度を上げ、実際の色をいじって空気感を感じさせるように仕上げました。
どうでしょう、ただ合掌造りを写しただけでなく、少しだけ不思議な風景になったのでは、と思っています。
仕事というのは、特に撮影のように現場がある仕事というのは、同じものは二つとありません。その仕事その仕事によって必ずなんらかの予期せぬことが巻き起こります。生じてきた予期せぬことをプラスに持っていくかマイナスになってしまうかが、成功かどうかの分岐点です。別にハップニングを期待するわけではありませんが、少なくとも恐れてはいません。正直いうと、期待してるようなところがあるのかもしれません。
一昨日、北海道から帰ってきた仕事は予期せぬことの連続でした。まだ撮影が終わったところで、仕上げはこれから。発表は来月なので、今はこの場で公表できませんが、実に実に面白い仕事でした。僕の経歴の中でも特筆ものです。7月に発表されたあとで、撮影の様子を話したいと思います。
どの仕事も想像を超えたところで展開されていくのがたまらないですね。僕が自分の作品撮影だけでなく、広告の仕事をやり続けている最大の理由が、この摩訶不思議な現実を相手にできるからです。