おいしいコーヒー(3)

12/30日、BS朝日、23:00〜24:00に放映される番組のタイトルは、「その先の光へー写真家十文字美信新たな映像世界への挑戦」です。
う〜ん、やはりこういうタイトルになってしまうのです。自分としては、もっと肩肘張らない普通のタイトルを望んでいましたが・・・。

ところで、その後の「おいしいコーヒー」の話です。

あれから、焙煎方法を2種類のやり方で試しました。「直火式」と「間接式」です。穴が空いているドラムは、火が直接豆に接するので、そのぶん豆の芯まで火が通りやすいのですが、当然ながらちょっとでも焙煎時間を誤ると焦げます。穴の空いていない容器は、焙煎の進行状況が把握しやすいのですが、後半は煙が容器内に充満するため、燻された状態になります。それに、豆に含まれた水分が出所を失うために、初期の段階で湿気が発生します。湿気と燻された環境は当然、味に関係してきます。


僕の理想としているコーヒーの世界は、香り、初期の味、飲んでいる最中の味、後味、味の引き際、最後の甘い香り、など、細かく言い出せばきりがないのですが、口にした時から飲み終わるまでのさまざまな味や香りの変化です。そのことを基準にすると、どうやら直火式で焙煎された方が好みに合っているようです。
ドラムの材質については、富士珈琲さんが作った初期のタイプはアルミニュームで作られました。現在はステンレス製が多いようですが、僕的には少し疑問があります。温め難く冷めにくいステンレスの特質が焙煎に向いているかどうか、いまひとつ確信がありません。自家焙煎の初期には直火式の考え方がなかったようで、すべて間接式だと聞きました。正確に文献をあたったわけではありませんからこれは聞き書きです。もし、このあたりの初期焙煎方法について知識のある方は教えてくださるとうれしいです。
現在、僕がやっている焙煎方法は直火式ですが、これも好みの問題で、どちらが優れているか、回答はないと思います。何を重視するかによって方法の選択は決まって来るかと思います。

直火式で大切なのは、余熱の考え方や使い方です。僕自身の好みは「深い焙煎で、甘い香り」ですが、焦げる一歩手前が甘さの領域なので、成功するまでには危険がいっぱいです。今まで、自分なりに納得がいくまで、何度も失敗を重ねました。部屋中、煙が充満したこともありますし、真っ黒な豆になってしまい、幾度か捨てることもありました。「火力を強く、そして、焦がすな」が僕の経験から導き出した最善の方法です。そのポイントは余熱の扱いでした。紆余曲折を重ねて現在のやり方に至りました、が、今のやりかたが王道かどうかわかりません。ただ、自分で経験しないと納得できない性格なので、つい、深みにはまります。

何はともあれ、飲んでみてもらわないことには何も始まらないので、来年のどこかのタイミングで興味あるかたに僕の焙煎したコーヒーを味わっていただくチャンスを考えています。

 

 

2 Responses to “おいしいコーヒー(3)”

  • inamuragasaki |

    これを読んでるとボクも手回しのロースターを買おうかなと思ってしまいました。
    実は先日浅草に行った用事があったので合羽橋まで立ち寄って手回しロースター見に行きました。
    正直言って十文字さんのハマり方にはもうあきれる領域です。どんどん奥に行きますね。

  • Bishin |

    現在は専用の焙煎小屋を計画中です。手回しの面白さに目覚めました。

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