時間の厚み

FACES

2006年から撮り始め、2010年に発表した作品「FACES」の一枚。
ポートレートシリーズとして60点くらい撮影した内の1点です。

写真が発明された19世紀当初は、レンズも暗く、感光乳剤の感度も低かったので、撮影時露光時間は1分、2分を超えることもあったと聞く。時間の厚みが1枚の写真に込められたら、1/250秒や1/500秒という速い時間で撮られた現代写真とは表現の重さが違うのは当たり前だ。
写真にとって時間をどう考えるかはとても重要な要素です。

絵画世界に於けるキュビズムは複数の視点から見た光景を1枚の絵画に描いたとされるが、言い方を変えると時間を目に見えるかたちにした、とも言えますね。
時間をモンダイにするなら、写真ほど的確で相応しい表現芸術はないでしょう。

作品「FACES」はすべてフィルムサイズ4×5インチ。コマーシャルエクターレンズの被写界深度を利用して、任意の形に8分割したアタッチメントを自作し、レンズに装着して撮影した。
撮影時間は約30分。現像上がるまで撮影者である私にもどのように写っているかはわからない。
今回アップした写真の被写体は、私が大学教授時代に助手を勤めていただいた当時の上原芳子さん。


 

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