写真と珈琲のバラード(1)

1820年イギリス ダペンポート製 金彩藍手彩色花図紋1878年イギリス ローヤルクラウンダービー製

しばらくブログに文章を書くことから遠ざかっていました。作品作りに追われて時間がとれなかった。少し落ち着いたので、ブログを再開しようと思う。ついては、わたしが一等興味を持っていること、毎日何らかの形で関わっていることを主として書いていきます。一応題名を「写真と珈琲のバラード」とします。写真と珈琲についての想いを繰り返すことになるでしょうから、ちょっと洒落たつもりで「バラード」としました。

第1回目の話は写真と珈琲との合体。つまり、本日、私がコレクションした珈琲カップを撮影したのでその話から。

カップを撮影する、というのは、業界用語で「ブツ撮り」のひとつです。私はいわゆる「ブツ撮り」は専門ではありませんが、器や食品、機械などを撮影するのは好きです。光の当て方次第でどのようにもなるので、ライティングが好きな人は総じて「ブツ撮り」が好きだと思います。

さて、珈琲カップを綺麗に撮るにもコツがあります。何だと思いますか?珈琲カップに限りません。食べ物、飲み物に関係した「ブツ撮り」は自然光で撮るのが一等ふさわしいのです。自然光に勝る光はありません。私は人工のライトを使って撮るためのライティングが大好きですが、器は何といっても自然光です。理由は、周囲の空気までも器と一緒に写るからです。機械的な、あまりにエッジが効いた写真では美味そうに感じられない。器の周りに漂っている空気を写すつもりでレンズも選択します。焦点距離が長いレンズの方が空気の圧縮感を感じるので、標準レンズよりも望遠気味のレンズを使います。絞りの設定も、器の詳細を見るなら絞り込みますが、空気をより感じさせるためには、絞りを開けて撮ります。

今日は曇天で直射の光を利用出来ませんでしたが、曇りは曇りの柔らかな美しさがあります。今日はコレクションした中から50個のカップを撮りました。例として、相応しいかどうかわかりませんが、その内から2点ほどアップします。

上のカップは、1820年イギリス、ダペンポート製。金彩藍手彩色花図紋。

下のカップは1878年イギリス、ローヤルクラウンダービー製。下のカップは一目見た時に、ウィーン象徴主義の画家クリムトの絵画を連想した大好きなカップです。

 


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