「春小袖/雑誌流行通信/1980年」
ギャラリー展示作品の内
「春小袖/雑誌流行通信/1980年」
1980年、雑誌『流行通信』から連絡あり、着物をテーマに写真を撮ることになった。
コーディネーター、着付師の江木良彦さんとは既に複数回現場をご一緒して、仕事ぶりはよくわかっていた。他人に着せてもらった着物と自分で着た着物はどこか雰囲気が違う。江木さんの着物は自分で着たようなサラリとした日常感がある。
さて、どのような写真にしようか考えていた。
普段の生活から着物が離れてしまったのは残念だが、そのかわり、わざわざ着物を着たい時というのがある。
まず、若い男と女が浮かんできた。
結婚して数年経ち、子供も歩くようになったので、そろそろ子供を連れて親元に帰ろうか、と二人で話し合っている。
「里帰り」をテーマに撮ってみようと思った。
そして数日子供を親に預けて、久しぶりに夫婦二人だけで遊ぶのもいい。
想像しているうちに、次から次と記憶の場面に重なっていく。
着物コーディネイト&着付け→江木良彦、HM→長谷泰雄、モデル→小関のり子、伊藤賢朗、垂石真貴。