写真と珈琲のバラード(37)
久しぶりに珈琲の話。
以下はあくまでもわたしの主観から基づいた感想です。
珈琲の香り、味を決定する要素は焙煎だ、の話を書きましたが、今回は抽出のことです。
私はネルドリップですから、ペーパードリップに適用する話かどうかはわかりません。
以前話したように熱湯をそのままの温度で珈琲の粉に当ててはいけないのはその通りです。苦味が強調されてしまうからです。
私は抽出ポットの先を潰し、細い湯が出るように形を変えて使っています。理由は、ドリッパーの下から落ちる湯の量を目安に、ポットから湯を注ぐためです。
では、そのやり方を無視して、ある程度の量の湯を早いスピードで珈琲粉に注いだらどうなるか?を試してみました。この場合、始めの蒸らし時間は変えず、約20~25秒とします。湯温は80度です。
結果は予想を覆して、想像以上に美味しかった。
香りは充分感じられ、苦味はなく、甘味は残りました。ただし、簡単に言うとあっさりした珈琲になりました。
20gの珈琲に対して100ccを基準に抽出したので、一般的なカフェで飲む珈琲よりも少々多目の粉を使っているせいか、薄く感じられず、これはこれでイケます。
抽出方法に対する結論は、「熱湯をそのまま使わないこと、蒸らす時間をとること」この二つを守れば、ある程度のムチャはかえって面白い、新しい世界が体験できますよ、でした。
あらためて、美味しい珈琲の基本はやはり、なんといっても焙煎なのです。
アップした写真のカップは、ローゼンタール、バーバリアのアイボリー。最近友人からいただいてとても気に入ってます。1900年代初期の作だと思います。