鳥飼酒造のホームページ

先月(5月)はフランスの北東部にあるコルマールという街に行き、今月3日に戻りました。
もちろん仕事です。
最近は、と言っても2年ぐらい前から、再びコマーシャルの仕事が増え始め、それに伴って海外ロケも多くなり、今年はもうすでに4回の海外出張です。
帰国後は休む間も無く、スタジオ撮影やカラコレ、編集作業を片付けて、3日前から熊本県の人吉という街にいます。

2年前(2013年)の12月に、ひょんなことから鳥飼酒造の代表鳥飼和信氏と知遇を得ました。
帝国ホテルのティールームで待ち合わせたのですが、一目で、何かこう、同志というか、こう言ったら失礼かもしれませんが、同じ種類の匂いを感じました。
氏もどちらかと言えば人見知りタイプだと思いますが、何故か話が弾んで、初対面にも関わらず2時間以上話し込んでしまいました。
香り、味、甘さの居場所など、多分、僕が珈琲の焙煎をやっていることが話題に事欠かなかったことと多いに関係あったと思います。

その後、お会いする機会を重ねているうちに、同社のホームページを作ることになりました。

僕が知っている人物の中でも鳥飼氏は非常にユニークな魅力と才能を持った方です。
先代から事業を引き継いだ後、すぐには製造販売をせずに、しばらくは研究と実験に没頭しました。引き継いだそのままの焼酎では満足出来なかったそうです。
焼酎の香り、味に独自の感性を反映させるまで、実験に実験を繰り返しました。新しい焼酎造りの信念に燃えていたのでしょう。結果、今の焼酎「吟香鳥飼」が生まれたのですね。
その一端は本社倉庫の一室に残っています。
実際にはそれこそ数万回あるいはそれ以上の実験を重ねたのでしょうが、実験検分した液体の入った膨大な数のビーカーが、今もそのまま部屋の床を埋め尽くしています。1本1本記録が書かれた当時のラベルも貼られたままに。
先日、その光景を撮影しました。

僕が鳥飼氏に尊敬の気持ちを抱いている理由は、未知の香りと味にたいする努力と執念だけでなく、環境、自然に対する氏の理想と実行力です。
焼酎鳥飼の生まれた場所は、熊本県人吉市にあります。球磨川の近く、いわゆる球磨焼酎といわれる地域ですが、その中にあっても鳥飼酒造はとびっきりユニークな酒造会社です。
球磨川の支流に草津川(そうづがわ)がありますが、草津川の上流域の両岸5km以上にわたって買い取り、自然を保護し、清流と自然の中に蒸留所を建設したのです。
自然は適切に人の手が入らなければ、文字どうり人跡未踏のジャングルになってしまいます。
氏の子供時代に遊んだ清流と森の思い出を基に、理想の自然を復活させました。
発想から実現まで15年かかったそうです。

ホームページ制作を頼まれた時に、草津川の清流を映像で表現したいと強く思いました。
川の流れの美しさに、私も心を揺さぶられました。透明なだけでなく、太陽の光線の具合で澄んだ蒼い水に変化します。
水の魅力を存分に知らされました。
ぜひ鳥飼酒造のホームページを開いて草津川の清らかさ、美しさを実感してください。

アドレスを下記に記します。

torikais.com

ホームページの制作デザインは、パリ在住のデザイナー市田Kyoさんにお願いしました。
1人でも多くの方に僕が味わった感動を伝えたいのです。

 

2 Responses to “鳥飼酒造のホームページ”

  • K.Tamura |

    お元気のご様子何よりです。大学を退職なされて大分たちますが相変わらず、お忙しい日々をお過ごしですね。ジャックルーシェで朝のコーヒーは続けられていらっしゃいますか。私は、ジョッキ満タンの緑茶を手に、お気に入りのカエデ下のベンチへ、そこから一日が始まります。旅先より連れ帰られました「ライカ」散歩も食べ物も要求はしませんが、お側に置かれて如何ですか。Cafe bee「今日のお花」更新の頻度に感心いたします。良き協力者(花友)さんがおいでなのでしょうか。アレンジもステキです。これから夏に向け庭のお手入れは大変になります。恵みの梅ジュースで元気をもらってください。鳥飼和信様の、環境、自然への思い入れに、ご尊敬申し上げます。カメラ(写真)コーヒー(豆)とはこの先離れられることはないでしょう。お身体に充分注意され、益々ご活躍ください。

  • Bishin |

    Tamuraさん、連絡ありがとうございます。10月を完成の目処に、写真集を作っています。出来上がりましたら見てください。

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