「ありがとうの会」

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今年の3月末日で多摩美術大学教授の職を定年退職するのですが、この機会に教え子たちが集まって「ありがとうの会」をしてくれました。
2/15日のことでした。
会場は代官山にあるイタリアンレストランです。
楽しみにしていたのですが、なんと、前日は数十年ぶりという大雪。その影響で東横線が不通でした。会場まで来るには、渋谷か恵比寿から歩かねばならず、難儀なことで、皆集まれるか心配でした。

幹事が最もやきもきしたでしょう。
それが、100人を超える出席者で、感激しました。北海道から二日がかりで駆けつけてくれた人、雪に閉じ込められてどうしても来ることができない人から何通ものメールや電報をいただきました。なんとか間に合ったけれどすぐに戻らなければならない、一目顔を見たかった、と言ってUターンで戻った人もいました。
僕は恵比寿から歩きました。
開会を2時間遅らせて15:00からにしました。


僕が到着したのは13:30ごろだったので、閑散としていましたが、時間が経つにしたがい、参加者が増えて、始まる頃は会場いっぱいの人でした。
大学で教えるようになってからちょうど10年です。
着任初年度は3年生を持ち、翌年から3、4年生の2学年を受け持ちました。
ですから、送り出した卒業生は9年間になります。
会場ではそれぞれの学年が集まり、記念撮影。
久しぶりに見る顔があちらにもこちらにも。もうそれだけで胸が熱くなってきます。

いよいよ会が始まり、乾杯の後、それぞれが学生時代の話をしてくれて、聞いているうちに思い出すことがたくさんあり、感無量でした。
手作りのプレゼントを持ちきれないほどいただき、感謝の言葉もない。
撮影の仕事が忙しく、準備不足で理想の大学教授からはほど遠かった。
これほどの思いをして来てくれる彼らにふさわしい教授だったろうか、教え子たちのスピーチを聞きながら感慨ひとしおでした。
花束をいただき、ケーキのプレゼントもあり、最後に僕が話す番になって、もうメロメロでした。


よく走馬灯のように過去のことを思い出す、なんて言いますが、全然そんなことはなく、ただただ胸がいっぱいで何も言葉が浮かんできません。
こんなに学生から慕われることをやったかい?いったい何をしてきた10年だったの?みたいな思いで感無量でした。
それでも気を立て直して、今の気持ちを言葉にしなければの思いで立っていました。
当然ながら、歳をとるにしたがって思い出が増えていきます。
過去を思い出すことは切ないです。
でも過ぎ去ったことは、やり直しがきかないので、「ああ、これでよかったんだ」と肯定

するしかないんです。肯定したいのです。歳をとるとロマンチストになっていくのは、過ぎ去った過去を肯定したいからではないでしょうか。
そして今日のこの日も、振り返った時に「ああ、あの日は良かったな」と思い出す日になるのです。いろいろ反省することがあるにも関わらず。
ちょっとウルウルきてたし、興奮もしてたのでうまく話せなかった。
ただただ、「本当にありがとう!」と伝えたかったのです。
胸がいっぱいでした。


忙しいにもかかわらず幹事を引き受けてくれた人たちには心からお礼を言いたい。

最後に、これだけの卒業生が集まってくれるのは、次回は僕が死んだ時だね、って冗談で言ったら、「そんなこと言わないでください」から、結局次回は2017/3/4の僕の70歳の誕生日に再び集まろう、になってしまった。
楽しみに生きていきますよ。

2次会はカラオケ、3次会、4次会、5次会まで続き、ホテルにたどり着いたのは午前4時を回っていました。

ありがとうみんな!
楽しかった。

 

3 Responses to “「ありがとうの会」”

  • 小川幸子 |

    素晴らしい熱い、ありがとうの会、でしたね。読ませて頂く私の方までビンビン伝わって来ました。4次会ですか!朝まで続きたのしかったでしょうね、、、
    でも70歳の会がまた開かれる!これは十文字さんの人気だけでは無く人徳もプラスされての事ですね。既に、前回の赤ちゃんの時に現れてましたよ。
    一目で十文字美信とわかりました(笑)

  • Bishin |

    なんとなく、赤ん坊の時や子供の時の写真を見返すのは恥ずかしい。
    昔の人が、写真を撮られると魂が吸い取られる、と思ったのもわかる気がします。撮影に対する自覚を再認識します。

  • イシザキミチヒロ |

    十文字さま
    教授、先生、おつかれさまでした。10年間、あっというまでしたね。
    一度だけ授業にお邪魔した事は、僕の中でも貴重な記念日になっています。

    前からのブログを、じっくりと読ませていただきました。
    書籍にした方が良いと思うぐらいの素晴らしさだと思います。

    昨年、生まれて初めて一人旅で来たNYに、今家族と一緒にいます。
    昨年感じた面白さは、僭越ですがパリ日記に通づる部分を感じました。
    (すみません!思考のレベルに大きな差があります!笑)
    仕事で来る海外と、自分の目的で来る海外で感じることは
    本当に大きな差がありますね。家族で来るのもまた違います・・面白い!。
    いくつになっても勉強の日々が大切なのだなと感じています。

    DMの件ではご迷惑をおかけして、スミマセン。
    矢沢がギリギリまで対応しますので、よろしくお願いいたします。

    石崎路浩

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