まずは歩いてみる

写真

毎年、年に何回か海外へ行く。
たまにはヨーロッパ、アジアの何処かの国へ行ったが、このところハワイが多い。
どの旅行であれ、僕の場合は仕事で行く。
撮影で行く機会がすべてですから、スケジュールを決めてくれるプロデューサー、現地の細々した事項をこなしてくれるコーディネーターがいます。
日々の決められたやるべきことだけを考える。出来るだけ撮影に集中するために、プロデューサーもコーディネーターも優秀な人で固める。彼らは頭の回転も速く、細部に渡って気がつく。僕は何もせず、ただただホテルと撮影の現場を往復して、仕事に集中していればいい。
このところ、ずっとこんな海外旅行です。
仕事が終わって1日だけフリーの時間をいただける場合が多いのですが、何処へ行く気も起きず、たいていは部屋でゴロゴロしてる。

写真[1]

プライベートで海外へ行ったのはいつ以来でしょう。
仕事でなく、たった一人で、それも数日という短期間でなく長期に出掛けるのは30数年ぶりかもしれない。
30代の時にタイ、ビルマ(ミャンマー)、ラオス国境山岳地帯に入って以来です。
まあ、あの時よりマシです。パリなら知人もいますから。


飛行機チケットの手配、ホテルの予約、見知らぬ空港からタクシー乗り場へ行き、何とかたどり着いて部屋に荷物を上げてシャワーを浴びる。
言葉も不自由で好きなように食事も出来ない。
忙しくて何も事前の準備をしてないくせに、簡易アパートを借りてなるべく住人のような時間を過ごしたいと思う。
予算は限られていますから、それなりの生活でしょう。
だったらシッカリ予定を組んで、困らないようにすればいいものを、地図一つ広げることもなく此処へ来てしまいました。部屋の手配も人に任せっきりでしたから、到着して初めて様子を確認した始末です。

30代の時と明らかに違っているのは体力です。

昨日、部屋を出て地下鉄に乗り、バンドーム広場にあるギャラリーへ行きました。
「Elephant Paname」
昨年、僕の写真を8点展示したギャラリーです。
建物、空間のあまりの美しさに驚きました。撮った写真を載せます。
これがギャラリーですからやはりパリですね。今はセザールの作品を展示をしていました。


チュイルリー公園内にある「ジュ・ド・ボーム」を覗くと、写真展をやっていましたがあまり感心しなかった。戦場周辺のドキュメンタリーでしたが、今では見慣れた光景に見えてしまうのは何故でしょう。壁一面に写真が数多く展示してあったが、どれも不思議なくらい心に届かない。
僕は戦地なんてもちろん行ったこともないくせに、見慣れた風景に感じるのはどうして? 写っている光景が凄ければ凄いほど僕が滑り込む余地が無いね、と思ってしまう。写真にとってシャッターチャンスとは何だろうね。

帰りはコンコルド広場からセーヌ川にかかる橋を渡って、アパートがある6区まで歩いて帰りました。途中、ボン・マルシェの1階食料品売り場でバケットとハムを買いました。

何度か、30代の頃が懐かしく感じられた。
歩く、階段を昇る、というのはこんなにキツイのだ、と知らされました。

 

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