学生が作った動画作品

7/14日午後、鎌倉の「GARELLY B」で動画の授業を行う。

多摩美術大学グラフィックデザイン学科4年生15名が来ました。
全員僕の写真の授業をとっている学生達です。

僕は大学でスチール写真を教えています。
写真を教える、といっても、学生達に専門的な撮影の技術を学ばせるわけではありません。とはいえ、全く撮影の知識がないと困るので、初めの3ヶ月間はライティングの基礎を教え、その後、カメラを使った表現についてのあれこれに入ります。
僕には、学生達が、撮影という行為を通して、今まで気付かなかったこと、知らなかったことを発見してほしいという願いがあります。

大学は美大なので、プロの写真家になりたいという希望者は少ないです。
写真家になりたいわけではないのに、写真を学びたいというのは、教える僕にとってもなかなか難しいものがあるのです。

今年から、4年生の授業に動画を取り入れることにしました。
動画であれば、撮影した時が表現のすべてではなく、編集しなければ作品として完成しません。
素材さえしっかりしていれば、編集ソフトはmacのiMovieで充分です。
スチール写真でしか撮影の経験がない学生にとっては、ハードルは高いです。
それでも、しっかりものを見つめる習慣が身に付けば、動画を撮ることも可能です。むしろ、スチール写真を撮るように動画を撮ったら、いままでとまた違った映像が出来るのではないかと思っていました。


ご存知のように、デジタル1眼レフカメラが動画機能を搭載するようになって、誰でも簡単に動画が撮れるようになりました。以前であれば、フィルムであれ、テープであれ、当然ながら動画専門のカメラを使わなければ動く映像は撮れませんでした。ところが、最近はケイタイで動画を撮るのは当たり前、スチールカメラでもとびきり高画質の動画が撮れるようになったのです。
動画世界が身近になったと言えるでしょう。

学生達に動画作品を作ってもらうことを考えました。
テーマは「しぐさ」です。

動画だからといって、映画を撮るような大袈裟な気持ちでは良い映像は撮れません。
別にストーリーは必要ないのです。
しかし、学生達は初めての経験なので、戸惑うことが多いでしょう。それで、なるべく自然に、動く映像世界に踏み込めるよう、身近な世界に注意を向けられるようなテーマにしました。
作品は4分の長さに時間限定しました。
家族、友人、恋人、もちろん他人でもかまいません。誰が被写体でもいいのです。
「しぐさ」ということなら、大きな出来事がなくても作品が作れると考えたのです。


キヤノンさんからのご好意で、デジタル一眼レフカメラ「EOS 5D」と「EOS 7D」を借りました。

「5D」と「7D」を使って、学生達は各自それぞれ素晴らしい作品を作ってきました。

14日当日は、キヤノンさんから3名、それに、玄光社『ビデオサロン』の編集長も来ていただき、学生達が制作した15本の動画作品を観ていただいたのです。
僕の口から言うのも何ですが、出来はよかったですよ。
さすが美大生です。
中には感動的な作品もありました。それに、今まであまり見たことがない、なんとも不思議なテイストの作品もありました。

やはりデジタル一眼レフカメラの影響が大きいと思います。
もちろんそれだけでなく、初めての経験ということで、学生達が素直な気持ちで取り組んだからなのです。

さまざまな意味で、僕にとっては実に未来的でした。

どこかで発表したいですね。
一般公開できないのかなあ。

これも多くの人に観ていただきたい作品だと思います。

 

2 Responses to “学生が作った動画作品”

  • 徐 麗 |

    こんにちは。
    授業、とっても面白そう!学生さんの作品、是非観たいのです。

    学生時代のこといろいろ思い出しました〜初めての授業『顔』の課題、そして、奈良京都の合宿...
    十文字先生の授業は大好きだった!!
    もう一度、学生になりたいなあ〜〜

    • Bishin |

      学生が撮った動画作品は、近々、「GARELLY B」で鑑賞できるように考えます。
      今年の夏の合宿は、大学の寮が使えず、猪苗代湖の近くにあるペンションにしました。明後日からです。

      忙しい日々の合間にも、卒業した君たちのことを思い出します。
      皆の顔を見たいね。

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