ちょっとだけ撮影してみる

Abbaye de Saint-Germain-des-Pres

8/8日、10時すぎにアパートの部屋を出る。

8/2日にパリに戻ってからずっと部屋にこもってた。体調が悪いから仕方ないといえばそうなんですけど。
日にちがどんどん過ぎて行く、あっという間に6日間過ぎてしまった。
その間何をしたかというと、何もしてない。
一日だけサン・ジェルマン・デ・プレまで行ってすぐに引っ返した。昨日は恐る恐る外出してすぐに戻った。

昨日、薬局へ行ってうがい薬を購入。日本から持参した抗生物質の薬を飲む(どうしても、の時用で、ギリギリまで飲みたくなかった)。多分、これで6時間は歩ける。

再び、サン・ジェルマン・デ・プレ教会へ行く。
前回来た時は日曜日だったためにミサがあり、撮影を控えた。
教会内にどうしても撮りたい石像があったのです。
多分マリア像ではないかと思ったが、像の名前や詳しい由来を知らない。しかし、その美しさに足が止まった。
白い大理石で出来てる胴体の半分以上は欠損し、顔も右半分近くは欠けて無くなっている。
しかし、残ったお顔だけでも充分です。いや、半分だからこそなおさら美しく感じられる。ただ見つめているだけで、キリスト教徒でない僕にも、崇高な美の洗礼を浴びることが出来る。堂内の別な場所に落ちてる光の反射と、蠟燭の炎だけが石像を闇から救っている。
石柱に身体をピッタリつけて、シャッタースピード1秒、開放F2,8で切る。


教会を出て、カフェ・フローラに入るが違和感があり、そのまま椅子に座らず外へ。近くのデュ・マゴに入る。
ポットでコーヒーを頼む。
周囲の座席を見ながら、朝のひと時を楽しんでいる人たちをノーファインダーで抜く。
綺麗な光が撮れればいい。
僕は写真を撮る、という行為が本当に好きだな、と思う瞬間です。
出来上がりを見るまでもなく、僕のイメージの中で完成させる。写真は後からついて来ればいい。僕はどんどん先へ行くのだ。

セーヌ川へ出て、バンドーム広場へむかう。
昨年僕の写真を8点展示した「Elephant Paname 」まで行く。前回はセザール展をやっていたが、終わったらしい。
ここは素晴らしく美しい空間でありながら、謎のギャラリー美術館です。パリ在住の知人に聞いても、誰も答えが解らない。
何をやりたいのか?
いいじゃないですか、何をしたいか解らない美術館があっても。それだけ可能性があるのだから。これほどの空間を個人で持つことが出来るパリという街は、なんて魅力的だろうね。


バンドーム広場を突っ切って、通り過ぎてからビストロに入り、昼食に「クロックマダム」と「コーヒー」を注文する。
待つ間、食べながら、しばらく撮影。
若く、美しい女性の横顔、時々、形のいい唇から吐き出される煙草の煙、別の老人の手。ムッシュー、ギャルソンの仕草。
こうやって写真を撮ることが出来るのもあと数年だね。あと数年間、僕の集中力と反射神経が今のままであって欲しい。

コンコルド広場へ行く。
凱旋門を右に、次にエッフェル塔を見て、コンコルド橋を渡る。
そろそろ帰った方がいいかも。
薬の力だけで歩いているのかもしれないから。
まだ体力が戻っていない。そもそも風邪が治っていないかも。

ゆっくりゆっくり歩いて戻る。
部屋に入って時計を見たら、5時間20分歩いていた。

 

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